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GTDの考え方と実践に向けての準備(1)

 前に予告していた「GTD考察日記」、なかなか手がつけられなかったのには訳がある。前に日記に書いたときはGTDの基礎がすべて理解できたと思っていたのだが、それからしばらく運用していくうちに、いくつか疑問が出て来てしまった。その疑問について考え始めたものだから、なかなかうまくGTDが使えなくなった。それで、日記も書けなくなった。

 実はその疑問について、まだ解答は出ていない。本当なら、解答を見つけた後でその内容を整理し、この日記を書くべきなのだろう。しかし、ひとりで考えていてもなかなか解決の糸口は見つからない。それならば、この日記に書きながら考えるのがいいのではないか。ということで、手始めに少し書き始めてみることにする。

 まずGTDについて簡単に説明してみよう。GTDとは「Getting Things Done」の略で、デビッド・アレンが『仕事を成し遂げる技術 ―ストレスなく生産性を発揮する方法』という本の中で提唱している方法だ(Wikipedia参照)。フランクリン・プランナーに代表される従来のタスク管理は、「まず目標をもち、その目標を実現するにはどうしたらいいかということをリストアップし、タスクに落とし込んで計画する」というものだった。しかしGTDは、これとは違い、「目の前にあるタスクを片付けて心理的負担を軽くしよう」という考え方で、成し遂げる目標を設置しなくてもすぐに実行できる手軽さから、一般に普及した。

 前の日記にも書いたが、GTDを実践するための基本手順は次の通りだ。

1. 頭の中にあるものを全部とりだす
2. 取り出したものを並べ直す
3. 各項目の処理方法をまとめ、整理して箱を作る
4. その箱に分類して放り込む
5. 時間、場所、方法でソートをかけ、「今一番すべきこと」が一瞬で分かるようにする

 一番わかりやすいのは、手頃サイズのカードを用意し、そこに片っ端からやるべきことを書いて、書いた後にそのカードを分類し、それぞれ別の箱に片付けていく方法だ。デジタル処理に落とし込む前に、一度このようにアナログで手順を把握しておくのもいいかもしれない。

 このとき一番難しいのは、文類する箱の設置だ。箱に書く項目は、何にすればいいのだろうか。本家本元のGTDによると、まず「Yes」と「No」に分けて、次に「Yes」に入るものについては、

1. すぐやる。(2分以内でできる場合)
2. すぐできないもので、手順が複雑な場合は、計画を立てて行う
3. 複雑でなく、自分でしなくてもいいものは人に任せる
4. 複雑ではないが、今すぐしなくてもよいものは後にする
5. 複雑ではなく、比較的早めにしたほうがいいものは、今やっている仕事の次に着手する

 というように処理する。また「No」については、

1. 今行動しなくてよいものは、「資料」として保管する
2. いつかやる仕事としてあたためておく
3. 不要なものは捨てて忘れる。ゴミ箱へ。

 というように処理すると指導している。

 実は、私が疑問に感じたのはこの部分である。前にも書いたように、タスクには処理すべき時間、場所、その方法という3つの要素がある。そして今、GTDを実行するために箱に文類するための項目が追加されることになるのだが、その項目の中に、あらかじめ決めた3つの要素が含まれてはならないと思う。つまり「処理すべき時間」という要素は、そのまま「すぐやる」「あとでやる」という項目とかぶってしまうため、非常に面倒な問題を引き起こしてしまう。

 一例をあげて説明しよう。「ゴミ捨て」というタスクをあげたとき、すぐに「明日(時間)」「ゴミ捨て場(場所)」「指定のゴミ袋に入れて運ぶ(方法)」という3つの要素が決まるが、その後で箱に文類する際、「すぐやる」「今日やる」「あとでやる」「計画する」というように、「時間」に関する項目が絡んで来る。となると、「明日」と決めたのに、新たに「あとでやる」という時間に関する要素を指定しなければならなくなる。この箱については、たとえ明日になろうと自動的に「今日やる」に変化するわけではないため、「ゴミ捨て」というタスクについては「今日やる」という要素と「あとでやる」という要素が2つ適用されているという、実に不思議な状況になってしまうのである。

 …と、ここまで書いて疲れてしまったので、続きはまた今度。