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松丸本舗で感じた電子書籍の弱点

 昨日、ぶらりと東京駅のインデアンスパゲティを食べに出かけ、そのついでに本を見ようとあちこち歩いたあげく、東京駅前の丸善にたどり着いた。ここを見つけたのは本当に偶然だが、ここの4階に、かねてから相方が見たがっていた「松丸本舗」を発見。早速、見学することにした。松丸本舗が何なのかを知りたい人は、こちらのリンク先を参照のこと。

 まず感じたのは、「本」という物の存在感。ここには約5万冊の本があるそうだが、5万冊の本に囲まれて感じる存在感、その迫力は凄まじい。たとえばここに、約5万個のレンガがあっても、さほど気圧されることはないだろう。しかし本は、違う。そこにいるだけで、えらく圧倒される。しかも、ドキドキする。

 この感覚はなんだろうとつらつら考えてみるに、おそらく本というものは密度が高いのだろう。それはなんの密度かといえば、たとえば「情報」かもしれないし、「感性」かもしれないし、「刺激」かもしれない。いずれ、どの本にもそういった要素がぎゅっと詰め込まれ、きちんと畳まれて、本棚にしまわれている。棚の中にいる分には非常にコンパクトになっているが、そこから本を取り出していったん広げてしまうと、内にある要素はどこまでも拡散し、伸びていく。きっと本の前にいるだけで、そのことが体で感じられるものだから、圧倒されてしまうのだろう。

 「松丸本舗」の本棚のカテゴリは、どれも非常に大くくりで、目的をもって本を探すには不向きだ。ただし「私はこの辺が好きだから、このあたりを見ていれば、好みの本が見つかるはず」といった方法で本をさがすのであれば、この陳列法は宝探しのようで楽しいかもしれない。私が少し前に探していた「ベルクソン」の本が、この本棚にはたくさん置いてあって驚いたが、そのすぐ脇にハイデガーの本があるのを見て、さらに驚いた。わたしにベルクソンを勧めた高校時代の倫理社会の先生は、大学時代にハイデガーを研究していた人だからだ。

 こうして物理的に近くにおいてあるというだけで、その近さが肌感覚でわかるのは面白い。こういったことを電子書籍で再現しようと思うと、かなり難しいだろう。amazonのリコメンドは確かに近いだろうが、それだとちょっとあからさますぎて味気ない。嘘でも自分で見つけたことに満足したい人間の心理を考えると、やはりこの物理的な距離感が重要なように思う。そう考えると、「松丸本舗」という企画は、電子書籍に対する本屋の逆襲のようだとも思える。まさにこれは、リアル本屋にしかできないことだ。

 写真は、本文には関係ないが、町田の「野の葡萄」という農場レストランで食べたごちそう。その土地でとれた素材を使った美味しい料理が豊富にあり、荻島夫妻と4名でおしゃべりしながら美味しくいただいた。
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コメント (4)

なるほど!
電子書籍のメリットといわれる「場所を取らない」こそが、逆に電子書籍の最大の弱点なのですね。
確かに、書店、図書館、個人の蔵書などの圧倒的ボリューム感こそが、読書子の心をくすぐるものかも知れませんね。
まあ圧倒され過ぎて収拾がつかないという場合もあるのでしょうけど。

真花:

電子書籍は、密度もボリューム感もないですからね。
だから持ち運びが楽だったり、
スペースメリットがあったりするのですが。
このイベントを見て、「やられた〜!」と思いました。

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