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娘の最後のお弁当

 今週末から一人暮らしを始める娘のために作った、たぶん最後のお弁当。幼稚園の時、彼女が好きだったメニューを再現してみた。といっても、当時のお弁当には山芋のステーキは入っていなかった。その代わりに、プチトマトが入っていた。あと、グリーンアスパラの代わりにブロッコリーが入ることもあった。
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 彼女が東京にやってきて一緒に過ごした4年間は、かけがえのない時間だった。彼女は毎晩、いきいきとした表情で今日一日のことを私に話した。友達と遊んだ話や片思い話、恋人ができたこと、実習の辛さと楽しさ、未来に対する不安……。普通だったら親には話さないようなことも、なんでも明け透けに話をしてくれた。それはまるで、小学生のように。もしかすると、私と彼女の関係を、小学校時代からやり直そうとしていたのかもしれない。

 「You got mail」という映画に、母と娘が部屋の中でダンスをするシーンがある。あのシーンを見ると、いつも胸が詰まる。娘が小さかった頃、ダンスが好きでいつも踊っていた、その光景を思い出すからだ。

 先日見た「マンマ・ミーア」という映画にも、娘と過ごした日々を回想しながら母が「Slipping through my fingers」という曲を歌うシーンがあった。その歌詞が、私の気持ちにぴったりきたので、少し引用させていただくことにする。

※引用元はこちら


学生鞄を持って
朝早く 娘は家を去っていく
手を振って さよならと言って
感情を打ち消した微笑みと一緒に

私は娘を見送る
よくある母の哀しみの波に打ちひしがれながら
それから、しばし座り込まずにはいられない
彼女を永遠に失ってしまうのではないか感じて
彼女がこれからまさに踏み込もうとしている新しい世界を共有することができないと感じて

私はいつでも幸せだった
楽しい小さな女の子だった彼女の喜びをいつでも共有することができて

私の指をすり抜けていく 彼女と私の過ごした時間のすべてが
私はそのひとつひとつの瞬間を思い出そうとしてみる
そのときに感じたことのすべてを

 この4年間で、8年分の時間を取り戻そうとしていた娘。でも彼女の小学時代、中学時代は、今どれほどあがいても取り戻すことができないことを、私は知っている。どんなに切なくても、それは事実なのだからしょうがない。今できることは、大人になった彼女と私が、新しい関係を築いていくことだけだ。

コメント (4)

YOHKO:

今、ゆりかもめの中です。
涙が、止まりません。

幸せ、、、
もっと噛みしめます。

真花:

YOHKOさん
卒園、めでとうございました!
そうですね、今この瞬間は二度とやってこないので、
お子様と共有する時間を思い切り楽しんで下さいね。

お弁当話、しみじみと拝見させていただきました。イイお話ですね。
脳裏を“絆”という語が浮かびました。おふたりは、誰よりも深い絆で結ばれていたし、これまらもそうだと信じてやみません。食の幸福で信頼を確認しあってる間柄は何よりもツヨいです。真花さんとお嬢さんの未来に幸多かれ!

An insightful post right there mate ! Cheers for it !

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