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ひとつの野望

 昨日、漫画家であり、小説家であり、大学院生でもある、すがやみつる氏と会って話をした。主な目的は、彼の書籍の今後の出版予定を決めることだった。しかし、それ以外の話でとても刺激を受けた。これまですがやさんとはゆっくり話をしたことがなかったので、「そもそも、なぜ大学にいこうと思ったのですか」「どうして小説を書こうと思ったのですか」等々、これまで不思議に思っていた疑問をすべてぶつけてみた。すがやさんは、そんなぶしつけな私の質問にも丁寧にひとつずつ答えてくれた。その話を聞いていて、ふと「私も大学に行きたい」と思った。

 私は、実は大学を卒業していない。三年まで通ったが、その後、学生結婚をして学校を辞めてしまったのだ。だから、私の最終学歴は「高校」だ。そのことを後悔したことはなかったが、なんとなくしのこしたことがあるというわだかまりはあった。でも、だからといって「大学にもう一度」とは思わなかった。それが、すがやさんの話を聞いて、気持ちが変わった。すがやさんは、学びたいことがあったからこそ、大学に行こうと思ったという。卒業資格ではなく、純粋に学びにいったのだ。

 実は今、私には知りたいことがある。これまでは、そのために本を取り寄せたり、ひとりで考えたりしていた。しかし、すがやさんの話を聞いて、「ああ、そうだ。学校にいけばいいんだ」と思った。学校にいけば、これまで研究されてきたことを教授からいろいろ教えてもらえる。それを勉強しながら、私なりに考えたり、調べたりしていけばいい。

 学生時代、こんな風に勉強したいと思ったことはなかった。必要だから勉強したし、授業も受けたけど、それは結局単位のためだったり、卒業のためだったりして、「そのことが知りたいから」という動機はそこに存在してはいなかった。でも今は、卒業も単位も必要ない。だからこそ、誰に遠慮するでもなく、本当に知りたいことだけを勉強することができる。

 私には、それがとても贅沢なことのように思えた。だけど、もし可能であればやってみたい。きっと、いろいろ無理はあると思う。まず、時間。次に、経済面。そして、試験。ハードルは、決して低くない。でも、時間がかかってもいいから、なんとか実現したい。これがいまの私の、一番大きくて一番真剣な野望である。

Wed, Oct 14

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