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渦中に身を置くか、遠くから眺めるか

 台風の被害にあったことのある人には大変申し訳ないが、わたしは台風が嫌いじゃない。子供の頃からそうだった。高校時代はマンションの13階に住んでいたので、台風が来ると窓に張り付いて外を見ていた。中庭に突風が吹き、いろんなものが吹き上げられるのを見てドキドキしていた。滅多に見られないこの風景を楽しまないなんて、もったいないとさえ思っていた。

 やがて、その中庭を歩いている友達の姿を見つけた。彼女は、少し風に飛ばされながら、楽しそうに歩いていた。彼女を見て、私は理屈ぬきで「負けた」と思った。私は安全な部屋の中から非日常を眺めて楽しんでいるだけだが、彼女は自らその危険の中に身を置き、それを楽しんでいる。これは極めて大きな差だ。本当に台風の凄さを実感したければ、外に出て身をもって感じるのが一番だ。

 このときの体験がよほど強烈だったのか、その後わたしは何にでも首を突っ込むようになった。やろうかやるまいか悩む前に、とりあえず走り出す。そして肌感覚でいろんなことを感じながら、次の手を考える。決して褒められたやり方ではないが、おかげでいろいろなことが体験できたし、そこから学ぶことも多かった。それもすべて、あのとき衝撃を与えてくれた友達のおかげだと思う。