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映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?

 今日は、このタイトルの本を執筆された、斉藤守彦さんという方とお会いした。彼は、いわゆる映画評論家ではなく、映画ビジネスの裏事情を調査分析するという、ちょっと変わったスタンスのライターである。「映画館の入場料がなぜ1800円なのか、ご存知ですか?」。言われてみれば、たしかにその理由を私は知らないし、その根拠も知らない。もっと言えば、考えてみたこともなかった。しかし、この本を読めばそのことがちゃんとわかるようになっているらしい(私は彼から直接、いろいろ聞いてしまったけれど)。

 ほかにもいろいろと面白い話を聞いた。たとえば、「ダイハード」がヒットした理由や、なぜ男はみんな「ゴットファーザー」が好きなのか、昨年はやったエヴァンゲリオンはどういう方法でクチコミ人気を広げたか、などなど。仕事の打ち合わせのはずが、私も無類の映画好きなものだから、どんどん話が脇道にそれていき、つい2時間も話し込んでしまった。

 中でも一番印象深かったのは、「泣いた映画は、それだけでその人の記憶に残る」というお話。彼は数年前、「世界の中心で愛を叫ぶ」を見たそうだ。その映画を観に行くとき、入り口で階段に座って携帯をいじっている女子高生を見て「どうしようもないな」と思ったそうだが、映画が終わってふと客席を見ると、そのどうしようもない女子高生たちが号泣していたとのこと。「世界の中心で愛を叫ぶ、という映画がいいか悪いかは抜きにして、この子たちの中ではこの映画が永遠に残るだろうと思いました。見て泣いた映画というのは、その人の心にずっと残るものなんです。そういうものを、作っていかなければいけない」。

 最近の映画は、消耗品になっている。我々の時代に見た映画は、そうではなかった。観た後、ずっしりと残るものがあった。「そういう映画が、今も必要だと思います」という彼の意見に、思わず大きく頷いた私だった。

コメント (2)

「ずっしりと残るもの」ってテーマの解釈間違うと危険なものなので、受け取る側によって違う「ずっしりと残るもの」は難しいんでしょうね〜。

真花:

たしかにそうね。テーマによっては、危険はありますね。
しかし、昨年末みた「This is it」は、テーマそのものはさほど重くないけど、
その背景が背景だけに、私の中にいろんなものが残りました。

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