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V系ライブ、初体験



 池袋CYBERといえば、老舗のV系バンドご用達ライブハウス。そうとも知らず、普通のライブハウスに行く感覚で行った私は、思いっきりスーツ姿。入り口にたむろっているファンとバンドマンの姿(バンドマンの皆さんは、まるでシャズナのようでした)を見て悪い予感はしたものの、まさかここまで浮いてしまうとは思わなかった。客席を見ると、90%が中高女学生。制服姿の子もいれば、コスプレっぽい衣装の子もいたりして。


 ステージで演奏が始まると、彼女たちは一斉に同じ動きを始めた。ひと昔前に流行った「パラパラ」みたいな動きだ。曲にあわせて、手を振ったり頭を振ったりする。ステージよりも、その客席の様子のほうが興味深く、思わずしげしげと観察してしまった。一緒にいった相方は、彼女たちのことを「没個性」と表現していたが、私にはむしろ「お祭り」に見えた。盆踊り…とはちょっと違うかもしれないが、練習を重ね(実際、廊下で懸命に練習している子たちを見かけた)、タイミングをあわせてみんなで同じ動きをし、そこに喜びとカタルシスを見出しているように思えた。


 推測だが、彼女たちにとってバンドは「きっかけ」にすぎないのではないだろうか。「好きなバンド」を決め、そのバンドの応援をしながら他のファンと一緒に踊り、カタルシスを感じるという行為にこそ、喜びを感じているのではないだろうか。たった一度、現場を見ただけの推測なんて、まったくアテにならないが、なんとなくそんなことを思いながら、客席を観察していた。


 ところで、BASKTRIBE。身内だから言う訳ではないが、彼らのステージは本当によかった。うまくいえないけれど、「観客にアピールしよう」「乗せよう」「踊らせよう」というような狙いはそこになく、ただひたすらに「伝えよう」としていたように感じた。その真摯な態度に、とても好感が持てた。客に媚びることもないけれど、クールを装うでもない。ある意味、とても自然体だった。派手なパフォーマンスが目立つ他のステージの中で、彼らがひときわ目立っていたのは、そのスタンスが他のV系バンドと大きく違っていたからかもしれない。