病院のWi-Fiが思いのほか快適で、そこから余計なことを考えた

レビュー&コラム

先日、妻が東大病院に1週間ほど入院した。面会時間は14時から20時まで。その時間に合わせて毎日通い、空き時間にラウンジで仕事をこなしていた。そこで使ってみたのが、病棟の有料Wi-Fiサービスだ。地味なレポートになるけど、これが思いのほか快適だったので書き留めておく。

ラウンジで見つけた、有料Wi-Fiの仕組み

妻の病室にはWi-Fiがあった。ただし、接続できるのは1デバイスのみ。妻がスマートフォンで使っている以上、僕は自分のデバイスでインターネットを使えない。仕事をするにも、何かを調べるにも、回線がないと話にならない。

困ったなと思いながらラウンジをふらついていたら、病棟有料Wi-Fiサービスの案内を見つけた。専用の発券機が置いてあって、1日券を購入するとSSID・パスワード・ワンタイムパスワードが印字された券が出てくる仕組みだ。支払いはテレビカードのみ。なのでまずテレビカードを購入し、それで1日分の利用料を払う、という2ステップが必要だった。

接続してみると、上り・下りともに200Mbps前後。かなり安定していて速い。ゲーム機や一部の学習端末、Fire TV Stickなど対応していないデバイスもあるとのことだったが、ノートパソコンやスマートフォンなら問題なかった。

手術中の待ち時間も、普通に仕事ができた

妻の手術があった日、待機のためにラウンジに長時間いた。以前の自分なら、こういう時間はスマートフォンで何となくSNSを見て過ごすか、モバイル回線のパケット残量をにらみながら恐る恐る使うか、どちらかだったと思う。

今回はそれがなかった。パケットを気にせず、ノートパソコンを広げて普通に作業していた。テレカンなどはラウンジという場所柄、声を出しにくいので難しいかもしれないけど、テキストベースの仕事ならかなり快適にこなせる。手術の待ち時間というのは、何かしていないと気持ちが落ち着かない。そういう意味でも、回線があることで助かった部分は大きかった。

通院のときにも使えると便利なのにとは思ったが、それは贅沢というものかもしれない。こういうサービスが病院という場所に存在していること自体、素直にありがたいと感じた。

でも、インターネットがないと何もできない、って少し怖い

快適だったのはたしかだ。ただ、ラウンジで作業しながら、ふと気になることもあった。

インターネットにつながっていないと、仕事にならない場面が増えすぎていないか、ということだ。

2000年代のはじめ頃、モバイルでインターネットを使うには機材を揃える手間があって、ハードルが高かった。ノートパソコンのソフトウェアはローカルで動くものがほとんどで、オフラインでも大抵のことはできた。今は逆だ。クラウドが当たり前になって、インターネットがないと動かないサービスや道具が増えた。生成AIもそのひとつで、僕自身もかなり使っているけど、APIもウェブサービスも、ネットワーク前提で成り立っている。

普段は意識しないけど、今回みたいな状況に置かれると、その依存度に気づかされる。回線があったから助かったわけだが、もし有料Wi-Fiがなかったら、かなりの作業が止まっていた。それはちょっと、もろいんじゃないかと思った。

ローカルLLMを研究し始めた理由

そういった経緯もあって、最近ローカルLLMの環境づくりを少し研究している。インターネットがなくても、自分のマシンの中で言語モデルが動かせれば、クラウドへの依存が減る。課金も気にしなくて済む。

まだ「いい感じの環境」とは言えないけど、うまくいったら記事にしようと思っている。

病院のWi-Fiが快適だったという話が、どういうわけかローカル環境への興味につながっている。便利さに乗っかりながら、便利さの足元を確認したくなる。そういう矛盾した気持ちを、最近はわりと自然なこととして受け入れている気がする。

秋葉 けんた

秋葉 けんた

IT系のライティングを担当。 書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。●これまでの主な仕事 PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。●連絡先 メール:kenta@office-mica.com

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