先日、娘から「一緒にごはんを食べよう」と招待されました。娘の家には、食欲旺盛な子どもがふたり。兄と妹が最後の唐揚げを巡って争奪戦を繰り広げる、とても賑やかな食卓でした。

この光景は見覚えがあります。約30年前のわが家の食卓も、こんな雰囲気でした。当時はまだ子どもたちが小さくて、毎日三度の食事を準備するのが大変だったのを思い出します。あの頃は子育てに追われて余裕がなく、なんとか一日を乗り切ることばかり考えていました。

当時を懐かしく思い出すと同時に、義母の食卓にも思いを馳せます。先日、義父が急逝し、義母は突然一人暮らしを始めることになりました。夫婦で数え切れない日々を共有し、ふたりで食卓を囲んでいたのに、突然ひとりぼっちになってしまう。今頃、言葉にできないほどの寂しさを味わっているのではないかと思うと、胸が痛みます。

家族で食卓を囲む風景は、時期によって大きく変わります。人数が増えることもあれば、人数が減ることも。そう思うと、この唐揚げの味がさらに美味しく感じられるのが不思議です。親しい人達と同じ食卓を囲む幸せを、しみじみ感じた日でした。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

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