【車旅】バンワーク車はアジャイルでカスタマイズする

秋葉です。カーセンサーという雑誌で「格安中古車で始めるVANLIFE」という特集が組まれていました。特集では、中古車を買って自分たちでDIYやカスタマイズをしている人たちがに答えています。その記事を読み、高価なキャンピングカーを買うのではなく自作することについて考えてみました。

まず、キャンピングカーの必要性について。僕自身、以前キャブコンに乗っていましたが、車高が高いため立体駐車場に止められず、苦労しました。平置きでも、精算機に屋根が付いていると駐車できません。

次に困ったのが速度。がんばっても80km/h程度しか出ないため、高速道路でも低速で走らざるを得ません。しかも坂道があると80km/hも難しく、登坂車線をえっちらおっちら上ることに。ドライバーとしては、かなりストレスがかかります。

車高が高いため、風に煽られやすいという難点もあります。特に高速道路や橋を渡るときは、かなり慎重に運転する必要があります。こういった理由から、なかなか普段使いができませんでした。

平日に仕事をしているとなかなか出かける機会がなく、週末に出かけても1〜2泊の旅が中心になります。長期休みには片道1000km程度乗っていましたが、そのためだけに高価なキャンピングカーを維持するのは無駄が多いように思い、罪悪感を感じていました。

当時のキャブコン「アウトドアジュニア」

キャンピングカーはいろいろ揃っていて便利ですが、それがちゃんと活かせる生活スタイルでないと宝の持ち腐れになってしまう。つまり、僕たちの生活にはキャンピングカーがマッチしていなかったんだと思います。それなら、自分たちの生活に合わせて車をカスタマイズし、車中泊仕様の車を完成させていく方がいい。その方が満足感が高いと思いました。

いまは、車中泊仕様の普通車もあります。しかしそれも、自分たちの生活スタイルに上手くマッチするのかわからない。これでは、キャンピングカーの二の舞。頭の中だけで「きっと、こうだろう」と思っていても、実際にやってみるとそうならないことは多いんです。

そこで購入したのが、ハスラーです。そのときに考えた必要な要件は以下の通り。

  • 快適に移動できる車
  • 快適に眠れる車

ハスラーはパワーのある軽自動車なので、どんな道も快適に走ることができますし、燃費もいい。高速道路の利用料や税金も安い。乗り心地も全く問題ありません。

自作のベッドキットとキャンプ用の寝具を組み合わせると、車のなかでも快適に眠れます。しかも見た目が可愛い! ハスラーは必要な要件を全て満たしていました。

しかし実際にあちこち出かけているうちに、別のニーズが生まれてきました。休みの日だけでなく、平日も出かけたい。そのためには、仕事道具を持ち歩きたい。できれば車の中で仕事したい!

僕たちは編集プロダクションですから、原稿を書いたり記事を編集したりする仕事がメイン。こういった仕事は、パソコンがあればどこでもやれます。最近は取材や打合せもオンラインになってきているので、本当の意味でロケーションフリーになりつつあります。

そこでハスラー用の机を作ってみたり、ラゲッジボードを設置したりしてみましたが、残念ながら快適に仕事できませんでした。ハスラーは天井が低いため、頭が天井にぶつかってしまいます。それを避けるために変な姿勢をとってしまうため、肩こりや頭痛に悩まされることになりました。

ハスラーのラゲッジボードで仕事をしているところ

そこでもっと広いスペースが欲しくなり、中古のハイエースを購入することにしました。ハイエースは荷室が広く、天井も(ハスラーよりは)高いため、仕事スペースに適しています。

ハイエースを入手した後は、車中泊および職場として使えるように、DIYしながらいろいろと手を入れました。そのときに注意しているのが「はじめから完成版を目指さない」ということ。

たとえばベッドキット。当初はベンチ式タイプを作りました。木材で四角い枠を作り、枠と長い板をネジ止めします。強度を出すため、1つのベンチにつき4つの木枠を使ってみました。

ベッドキットを自作しているところ

木材や板はホームセンターでカットしているので、切った木材をネジ止めして終わりというシンプルなベッドキットなので、作るのに数日しかかかりませんでした。木材もそんなに使っていないので、数万円程度しかかかっていないと思います。

ベッドキットはベンチの下を収納として使えるため、収納力もあります。これでOKでしょうと思っていたのですが、使ってみて物の出し入れが面倒だということに気がつきました。狭い荷室では、荷物をいちいち引き出すという作業が上手くできないんです。

そこで、木枠の側面に板を張り、上部の板は載せるだけという仕様に変更。上部の板も分割し、必要なものを簡単に取り出せるようにしました。たったこれだけのことですが、とても使いやすくなり、運用も破綻していません。わが家にはこの方式があっていたようです。

歯磨きや食器洗いをするためにギャレーも作ってみました。当初はポンプを使って水道から水を出すようにしていたのですが、ポンプの音がうるさかったり、給排水の処理をするのが面倒だったりしたため、今ではジャグに変更しています。これなら水を出すための音は鳴りませんし、給水もペットボトルから水を注ぐだけ。シンプルですが、使い勝手はかなり良くなりました。

パソコンの向こう側に少し見えているのがジャグ

車中泊のためDIYをする動画や情報はネットに溢れています。見た目が良かったり使い勝手も良さそうに感じますが、それが自分たちにとって正解かどうかはやってみないと分からない。だから、いつでも変更できるように自分たちで調整して作っていくほうがいい。

設計図を引いてきっちり作り込むのもいいと思いますが、生活の一部として使っていくのであれば、完成品を目指さず、細かく調整しながら作り込んでいく方が、満足のいく仕上がりになると思います。

秋葉 けんた

投稿者プロフィール

IT系のライティングを担当。
書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。

 ●これまでの主な仕事
PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。

 ●連絡先
メール:kenta@office-mica.com

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