【DXことはじめ】疎結合を意識

スタッフコラム

デジタルを活用したさまざまなシステムに注目が集まっています。短期間で必要な要件を満たすシステムを作っていく事例も増えており、デジタルがこれまで以上に身近になっているように感じます。

会社でも、多くの業務がデジタル化されており、「データ」が業務に欠かせなくなっています。しかし、業務ごとに個々のシステムを構築した結果、各システム間で連携できなくなったという話は珍しくありません。

折角システムを使っているのに、同じ項目を何回も入力するのは面倒という話も聞きます。たとえば、「精算」目的で各自が入力したデータを、経理が「会計」システムに改めて入力しているというケース。すでに存在しているデータを改めて入力し直すのは無駄ですし、入力ミスなどのヒューマンエラーが起きるリスクもあります。この場合、「精算」と「会計」システムを連携できれば効率が上がる上、入力ミスも減らすこともできます。

もちろん「精算と会計を1つのシステムとして作り直そう」という考え方もあります。しかし、この方法はあまりおすすめできません。というのは、何か変更があった際にシステム自体を作り直さなければならず、状況の変化に追随することができなくなってしまいます。(縦割りの組織構造の場合、このようにサイロ化してしまいがちですが、そこから脱却することが、スピードや効率の向上に繋がると思います)

じゃぁ、そうすればいいのかという話ですが、1つの回答として「疎結合」を意識するという考え方があります。さまざまな(小さい)システムがそれぞれ緩く繋がり、一つのシステムを作り上げていく、といったイメージです。小さいシステムをパッチワークのようにつなげることで、必要なシステムを作り上げていきます。

たとえばマイカの場合、「顧客管理システム」、「案件管理システム」、「タスク管理システム」、「進捗管理システム」、「請求管理システム」、「(案件に関する)諸経費管理システム」といったいくつかのシステムが緩く連携し、それぞれの業務の管理を行っています。これらの業務は、似たようなデータを取り扱うので、連携させることで、入力ミスも減らし、それぞれの業務効率化も図れていると思います。

具体的には、これらのシステムはNotionを使って作成しています。技術的には、リンクドデータベースと言われる機能や、リレーショナルデータベースといった機能を使って、システム間を連携。担当者が必要な項目や機能などを追加することで、システムを育てながら使っています。

システムの構築、連携というとエンジニアが作業するイメージがありますが、最近では、現場担当者でもできるような仕組みが提供されています。それらの仕組みをうまく活用して、業務プロセス自体を見直したり、場合によっては組織構造自体を見直していくことで、効率化や生産性向上を実現し、競争力の強化にも繋がります。

秋葉 けんた

秋葉 けんた

IT系のライティングを担当。 書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。●これまでの主な仕事 PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。●連絡先 メール:kenta@office-mica.com

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