【はじめてのChatGPT】 生成AIで文章のわかりにくさをチェックする

秋葉です。生成AIは文章を生成する用途に使われることが多いですが、今回は生成AIを使って文章のわかりにくさをチェックする方法を紹介します。

下記は僕が使っているプロンプトです。いつもChatGPTやClaude3で使用しているプロンプトはもっと長いのですが、WordのCopilotでは長いプロンプトが使えないため、短くなるよう調整してみました。

【感想を生成するプロンプト】


・この原稿を読んだ読者として、ネガティブな表現がないかをチェックしてください。もし、ネガティブな表現があれば、リストアップしてください。
・読んだ際の疑問・感想があれば表示してください。また、どういった観点が原稿に追加されているとより良い原稿になりそうかといった意見も教えてください。
・この原稿を読んだ編集者の視点として、原稿をよりよくするためのアドバイスを記載してください。


このプロンプトを実行すると、生成AIが表現についてチェックしたり、感想を述べたり、アドバイスしてくれたりします。

ここでは「ネガティブな表現」としていますが、これを「リスクと思われること」に変えると、想定できるリスクについての解答を得ることができます。同様に、「読者」の部分を「上司」にすれば会社の報告書にも使えますし、「○○の専門家として」とすれば、それぞれの専門家の立場から意見をもらうこともできます。使い方に応じて微調整することで、より使いやすいプロンプトにナルト思います。

ちなみに、下記の報告書(サンプル)に対して生成AIに感想をもらってみました。


【サンプル報告書原稿】

件名: 2022年第3四半期業務報告

  1. 概要

当第3四半期は、昨年同期比で売上高が5%増加し、経常利益は12%の伸びを示した。新製品の投入と拡販施策が奏功した結果と分析している。一方、原材料価格の高騰による製造コストの上昇が課題となった。

  1. 売上動向

国内売上が前年同期比3%増、海外売上は10%増と伸長した。海外市場での新規顧客開拓が成果に結びついている。地域別では北米が20%増と最も高い伸び率を示した。

  1. 経費動向

人件費は社員数増加に伴い5%増加した。一方、販売促進費は効率的な販売施策の実施により前年並みに抑えられた。原価率の上昇が経常利益率の改善を阻む要因となっている。

  1. 対策

製品ラインナップの拡充と新興国に向けての販路拡大を推進することで売上の更なる拡大を図る。あわせて製造プロセスの合理化による原価低減に取り組む。


下記がWordのCopilotが生成した文章です。


この回答はドキュメントに基づいています:

  • ネガティブな表現はありません。
  • 読んだ際の疑問として、原材料価格の高騰による製造コストの上昇が課題となっているが、具体的にどのような原材料が影響を受けているのか、また、その影響の程度はどの程度なのかが気になります。
  • また、北米市場での売上が20%増加した理由についても詳しく知りたいと思います。
  • 原稿をより良くするためのアドバイスとして、各項目についてより詳細なデータや分析を提供することが挙げられます。例えば、売上動向については、製品カテゴリー別の売上比較や、競合他社との比較などがあると、より理解しやすくなると思います。
  • また、対策については、具体的なアクションプランやスケジュール、目標値などが記載されていると、より具体的なイメージが湧きやすくなると思います。

下記がChatGPT(GPT-4)が生成した文章です。


この原稿は基本的にポジティブな表現で構成されており、業績の向上や成長を強調しています。しかし、ネガティブな表現も一部含まれています。

ネガティブな表現のリスト

  1. 「原材料価格の高騰による製造コストの上昇が課題となった。」 – 製造コストの上昇は企業にとってネガティブな影響を及ぼす。
  2. 「原価率の上昇が経常利益率の改善を阻む要因となっている。」 – 経常利益率の改善の妨げとなる点を指摘。

疑問・感想

  • 原材料価格の高騰への具体的な対策が何か知りたい。
  • 新製品についての詳細や、どのような拡販施策が成功したのかの具体例があれば、より理解しやすい。
  • 海外市場の新規顧客開拓に成功した具体的な戦略や地域が気になる。

追加されるとより良い内容

  • 環境への配慮: グリーンイニシアチブやサステナビリティに関する取り組みがあれば、現代のビジネス環境においてプラスとなる。
  • 従業員の福利厚生や教育訓練: 社員数の増加が人件費の増加につながっているが、その背景には従業員への投資があるのかもしれない。そのような情報があれば企業のイメージ向上に貢献する。
  • テクノロジーの活用: 製造プロセスの合理化に取り組むにあたり、どのような新技術やイノベーションを取り入れているかの言及。

編集者の視点からのアドバイス

  • 具体性の追求: 成功事例や戦略に関してもっと具体的な情報を提供することで、読者が企業の実力や市場戦略をより深く理解できるようにする。
  • バランスの取り方: 成功した部分だけでなく、直面している課題にもっと焦点を当て、それに対する具体的な対策や計画を詳しく記述することで、企業の透明性と信頼性を高める。
  • ビジュアル要素の導入: 売上動向や地域別の成長率などのデータをグラフやチャートで示すことで、視覚的に情報を伝えることができ、読みやすさと理解のしやすさを向上させる。

これらの意見やアドバイスを参考にしながらリライトしていけば、よりわかりやすい文章を作成することができるでしょう。

今回は、生成AIを文章のチェックに使う方法を紹介しました。

秋葉 けんた

投稿者プロフィール

IT系のライティングを担当。
書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。

 ●これまでの主な仕事
PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。

 ●連絡先
メール:kenta@office-mica.com

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