【週刊ポッドキャスト生活】#42 ポッドキャストで流しても良い音楽の探し方

ポッドキャストを制作する中で、気になるのは音楽の使用。CDや配信の音源をそのまま流すのはマズいんだろうなというのは分かっていても、いったいどこまで許されているんでしょうか。また、ジングルやBGMなどの音源はどうやって探すとよいでしょう。

今回は、ポッドキャストで流すことができる音楽について取り上げます。

動画配信や音声配信での音楽利用

そもそもポッドキャストで音楽を流すのは困難です。

YouTubeやニコニコ動画では、CDや配信の音源をそのまま流すことはできませんが、JASRACと包括的な契約をしているので、歌ったり演奏をすることはできます。原盤権などとも言われる「著作隣接権」の処理をする仕組みがないので元の音源が流せませんが、「著作権」の許可は取れているので、歌ったり演奏したりといった「著作隣接権」に関係ない部分は配信してもよしということになっています。

ポッドキャストに関しては、一括して管理している運営団体がありません。「著作権」の処理もされていないので、歌ったり演奏したりすることもできないのです。ただし、自分自身でJASRACなどの著作権管理団体と直接契約すれは、歌ったり演奏することはできます。その場合、個人での非営利であれば、同時に配信する楽曲数が10曲までという条件付きで、年額10,000円で使用することができます。

JASRAC 使用料金早見表

なお、JASRACと利用許諾契約を締結しているサービスは一覧になっています。そのリストに動画投稿サイトは掲載されていますが、音声配信のサイトは記載されていません。

利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧

しかし、Stand.fmなど音声配信のサイトでも契約しているサービスもあるようです。各サービスの内容をご確認ください。

stand.fm ご利用にあたってのお願い

余談ですが、YouTubeは外部のウェブサイトに埋め込んで表示することができます。貼り付けるサイトが収入を得ずに運営するサイトの場合、個人が運営するサイトであれば、歌ったり演奏したりした動画を貼り付けることができます。しかし企業や団体の運営するサイトの場合、貼り付けることができるのはYouTubeのみで、他の動画共有サイトは別途JASRACと契約する必要があります。気をつけなければいけないところです。

動画投稿(共有)サービスでの音楽利用

ジングルやBGMはどうする?

CDや配信の楽曲は難しいとしても、番組を作るにあたってはジングルやBGMなどが欲しいところ。みなさんはどうしているのでしょうか。

以前に登録の仕方を紹介したAnchorでは、ジングルやBGMの音源も用意されています。エピソードに「スマートBGM」という形で追加すると、話し始めたタイミングで自動的にBGMの音量が小さくなるので、編集の手間もかかりません。

「ビート」や「穏やか」など曲調のカテゴリごとに複数用意されています。

トークの合間のジングルなども「トランジション」として複数の音源が登録されています。これらは、ポッドキャスト内での使用を認められているものですので、自由に利用することができます。

Anchorで用意された音源の種類は少なくありませんが、それでも他の番組と同じジングルやBGMになってしまうことがあります。そのため、Anchor内の音楽を使わず、違う音源を使うことがあります。

また、Anchor以外から配信する場合も音源を探す必要があります。よく利用されるものは次のようなものです。

1. 編集ソフト内蔵の使用許可された楽曲を使う

AppleのGarageBandなどの編集ソフトには、自由に利用できる音源が登録されていて、それらを利用している番組も少なくありません。また、Podcastleなどのオンラインでの編集サービスなどにも音源が用意されているものがあります。

2. フリーの音源サイトを使う

DOVA-SYNDROME」や「効果音ラボ」のようなフリー音源の配布サイトから気に入った音源をダウンロードし、編集ソフトで利用することもあります。Anchorでも、スマートフォンから音源をアップロードして追加できます。

これらのサイトの中には、商用利用の場合は別契約が必要だったり、クレジット表記が必要なものもあるので、サイトごとに利用の仕方は確認しましょう。

3. クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの曲を使う

著作者名を表記することで自由に使用することができる国際的な楽曲のライセンスが「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」です。同ライセンスの楽曲が登録されているサイト「Jamendo」や「openverse」などから探す方法もあります。ここにはジングルなどは少なく、多くはインディーズの楽曲になります。

4. サブスクリプション・サービスを使う

月額費用が必要になりますが、契約中は自由に登録された楽曲やジングルを使うことができるというサービスもあります。有料なので、他の番組と同じものになることも少なくなります。「Audiostock」というサービスでは月額2,200円から(年間一括払いの場合)となっています。「artlist.io」や「Premium Beat」などの海外のサービスも多くあり、これらもBGMや効果音だけではなく楽曲も見つけることができます。

5. オリジナル曲を制作依頼する

無料・有料で配布されたものではなく、番組のために曲やBGMを制作依頼する場合もあります。もちろん有料にはなりますが、番組独自の1点ものとして依頼する人も少なくありません。番組の雰囲気や好みなどを伝えて制作してもらうため、コミュニケーションをとりやすい方に依頼するのがコツのようです。

ポッドキャストは映像はなく音だけなので、ジングルやBGMは重要な要素。著作権的に自由にしにくい部分もありますが、これらの方法で自分の番組にあった音源を探してみてください。

【チームマイカ】佐藤新一(ポトフ) 

投稿者プロフィール

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佐藤 新一

2005年から配信する古参ポッドキャスター 。

Whizzo Production 代表。広告代理店の営業や企画制作会社のWEBディレクターを経て独立。WEB制作・ポッドキャスト制作やライター業などを行う。
座右の銘は「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクション」。

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