家族の変化にあわせた車選び

スタッフコラム

ここ数年、バンワークのためにハイエースを購入し、車中泊仕様に改造して愛用していました。ハイエースは広い荷室が特徴的で、ベッドキットやデスクが余裕で置けるスペースが魅力。「これならどこでも寝られて仕事もできる」と、今の自分たちにフィットする一台として選びました。

「車で仕事ができれば最高! いつでもどこにでも仕事をしながら好きな場所に行ける」ーずっとそう思ってきました。しかし今、家族の状況が変わり、それにあわせて車選びを見直さなければならなくなっています。

義父は、これまで九州で一人暮らしをしていたのですが、91歳になり、車の運転に自信がなくなってきたと打ち明けました。免許返納を考え始めたが、辺境の地では車なしで生活が成り立ちません。その現実に直面し、今後の人生を設計し直さなければならなくなった父の相談を受け、私たち家族で東京に引き取ることに。とはいえ、この狭いマンションに一緒に住むのは無理があります。ということで、近くのサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で新しい生活を始めてもらうことにしました。

この変化をきっかけに、車選びの優先順位が大きく変わりました。これからは、義父を車に乗せて病院や買い物に連れて行くことが増えそうです。しかしハイエースの助手席は「よじ登らないと乗れない」ほど座席が高いため、高齢者を乗せるのは難しい。かつては自分の「したい」ことだけ考えて車を選んでいましたが、これからは「誰がどう使うか」「誰を乗せるか」を改めて考えた上で選び直す必要がありそうです。

思えば、今回のような「要件の変化によって必要なものの優先順位が変わる」という経験は初めてではありません。かつては子どもたちと4人暮らしで3LDKのマンションに住んでいましたが、子どもが巣立ったあとはそこまで広い家は必要ありません。そこで、思い切って1LDKに引っ越しすることにしました。このとき、環境や家族構成の変化によって、必要とするものや理想像が変化するということを改めて感じました。

このように、その時々で「ベストな選択」は変わります。だからこそ、柔軟な思考を持つことが大切だと思います。道元が「宝慶記」で語っていた「柔軟心」とは、「物事にとらわれない柔軟な心を持てば、広い視点で物事を捉えられ、自分も他人も受け入れられるようになる」ということ。この言葉に倣い、しなやかな心で変化を受け入れ、時代や環境に合わせて選べる自分でいたいと感じています。

「今」にとらわれすぎず、これからも家族や自分の変化に目を向けながら、その時その時の最善を選びとる――。そんな柔らかな気持ちを大切に、暮らしていきたいですね。


秋葉 けんた

秋葉 けんた

IT系のライティングを担当。 書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。●これまでの主な仕事 PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。●連絡先 メール:kenta@office-mica.com

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