【真花の本棚】『続ける思考』(井上新八)

久しぶりに書評を書いてみます。以前、このブログで二度、井上新八さんという方をご紹介したことがありました。その記事がこちらです。

このときご紹介したように、井上新八さんは習慣化のプロで、最近ではご自身の職業を「習慣家」と呼ばれているほど。そしてついに習慣化の書籍を出版され、すぐにAmazonのベストセラー入りを果たしました。

この本に書かれていることは、井上新八さんがこれまでnoteに書かれてきたこととほぼ同じですが、書籍では整理されてまとまっています。今後読み返したいときに便利だと思い、私も購入しました。

この書籍の一部をご自身のnoteに公開されていましたので、興味のある方はそちらをご覧ください。

印象的だったのは、「趣味、継続。」という言葉です。井上さんは、何かを達成するために習慣化するのではなく、習慣化そのものが「おもしろい」と感じられていたんですね。では、習慣化のなにがおもしろかったのでしょうか。井上さんは、次のように分析します。

  1. 続ける「仕組み」を考えることが楽しい
  2. 続けるを「コレクション」するのが楽しい
  3. 続けることで自分が「変化」するのが楽しい

順に説明します。まず1ですが、井上さんは新しい習慣を取り入れる際、必ずその仕組みを考えます。たとえば、毎日やっている習慣に新しい習慣を紐付けるとか、必ず目にするところにきっかけになるものを置くとか。後者は行動経済学のナッジ理論ですね。自分の目に飛び込むシーンのなかに目印になるものを起き、行動を促すという方法。

前者と後者の両方を使うと、さらに効果的です。たとえば「毎日本を読む」という習慣をつけたいとします。モーニングコーヒーを飲む習慣があれば、コーヒーの隣に本を一冊置いておくだけで自然と本を手にします。本を手にもったついでにぱらっと1ページだけめくれば、「1日1ページだけ本を読む」という習慣が実行できます。これが1の「続ける仕組みを考える」ということになります。

2は、習慣を実行したときに記録し、あとで振り返ってニマニマ(笑)するということ。日付を書いておけば、自分に対して「もう3ヶ月続いているんだ」とフィードバックをかけられるため、それが自信につながります。もしそれが3年続いた習慣だとしたら、その習慣を辞めるとき勇気がいりますよね。長く続けば続くほど、なかなかやめられなくなる。コレクションにはそういう効果もあります。

3は、習慣化が自分にもたらす影響を楽しむということ。とあるダンス動画を見て「これ、踊ってみたいな」と思った井上さんは、1日5分ダンスを続けることにしました。それを一年続けたところ、とても難しいダンスができるようになりました。

「できないことができるようになる」という変化は、得意なことが増えるだけでなく、できないことが減る、つまり選択肢が増えるということ。「なんでもできるけど、今はこれを選びたい」。私はこれを「自由になること」と捉えました。

本書には、ほかにも習慣化に役立つ小さなコツがいろいろ書かれています。気になる方は手に取ってご覧ください!

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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