【週刊ポッドキャスト生活】#14 ポッドキャストの長さはどのくらいがいい?

ポッドキャストの配信者と話をしていると「1回の番組の長さはどれくらいが良いのだろうか」という話題になることがあります。

ポッドキャストは、通勤や通学時、家事をしながら、エクササイズや散歩中、仕事の最中や就寝前のひとときなど、さまざまなシチュエーションで聴かれるので、人によって好みの番組の長さはまちまちですが、より聴かれる長さはどのくらいかということは、配信者にとっては気になるところ。海外の記事でも取り上げられやすい話題です。

ホスティングサービスやアプリのデータ

ポッドキャストの番組の長さは、短いものは1分程度のものから3時間を超えるものまでさまざまです。一般的に日本のユーザーは通勤時に聴く人が多く、短いものが好まれますが、米国などでは1時間を超えるものも多く、長いものでも問題ないとも言われています。しかし、米国でもスマートスピーカーで聴く人が増え、短い数分のものも増えていると言います。

ポッドキャストの配信の場を提供するホスティングサービスは多くの番組を配信しているので、ホスティングサービスが公開しているデータなどを見てみましょう。

ポッドキャストのホスティングや広告配信などを提供するスウェーデンのAcastというサービスが、2021年11月に調べたところ、Acastのトップ100ポッドキャストの過去5エピソードの平均を調べると、1エピソードあたり平均38分10秒だったとのこと。

ただし、番組のジャンルによっても違うようで、ニュースと政治番組の平均は28分1秒でしたが、コメディ番組は55分33秒とより長いものが多いようでした。

Omny Studioというオーストラリアのホスティングサービスが2016年に公開した以下のグラフでは、番組の長さに対して、番組の視聴に費やした時間(TSL)の割合が分かります。全体的には短ければ短いほど聴いてもらえると言えます。

NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が提供するNPR Oneという視聴アプリのデータでは、最初の2分間でリスナーが急激に減り、5分間で20%〜35%のユーザーが離れると公表していました。そのようなデータを元に、「18〜30分」が最適だと具体的に数字を示していました。

Buzzsproutというポッドキャストのホスティングサービスでは、毎月ポッドキャストのデータを公表しており、とても参考になります。Buzzsprout から配信するアクティブ・ポッドキャスト109,223番組の2022年1月のデータでは、エピソードの長さは10分〜40分が一番多いようです。

  • 10分未満 : 15%
  • 10 〜 20 分: 15%
  • 20 〜 40 分: 31%
  • 40 〜 60 分: 21%
  • 60分以上 : 17%

ポッドキャストランキングのデータ

一方、ポッドキャストのランキングには1時間を超える番組も多いという指摘があります。実際にランキングに表示された番組を見てみました。

2月7日現在の米国Apple Podcastの上位20位の最新エピソードの番組の平均は52分42秒でした。(1番組のみ最新のエピソードが極端に通常より短かったため、1つ前のエピソードを参照)

では、日本のApple Podcastの上位20番組はどうでしょうか。調べてみると、平均は36分55秒と米国よりも15分以上も短かったのが興味深いところです。日本人の方がより短い番組を好むというのは事実なのかもしれません。

なお、Spotifyでの上位20位をみてみると、3時間を超えるジョー・ローガン氏のポッドキャストがランクに入っていたので43分49秒と長めになっていましたが、ジョー・ローガン氏のポッドキャストを省いた平均では33分53秒となったため、Apple Podcastに近い数字になりました。

人気ポッドキャスト番組は多くのファンが支えているため、長くても聴いてもらいやすいということがあります。短い番組の方が聴かれやすいが、ファンが多い人気番組では長くても聴いてもらえるということでしょう。

番組のリスナーに注意を向けましょう

当然ながら、番組の更新頻度も考慮する必要があります。例えば、毎日更新する場合は約10〜15分、毎週更新であれば15〜60分、毎月の更新であれば90分のエピソードでも構わないという指標もありました。

前出のように番組のジャンルによっても違います。始めたばかりか、ファンが就き始めたところかによっても違うでしょう。

短い方が聴きやすいので、短くできるのであれば短くしたほうがいいですが、海外で多いトゥルー・クライムというような犯罪事件の考察番組では、事実を伝えるニュースと違い、深く考察をしていくことが魅力なので、必然的に長い方が望ましいです。

私の場合、通勤中などの移動中は短めのものを選んで聴くことが多いですが、仕事中などでBGMがわりに流しておくときは、途中で番組が変わらない方がいいので、長めの番組を選びがちです。

長い番組は前編と後編と分ける場合もありますが、ポッドキャストの良いところは、途中で一時停止した場合も、次からちゃんと続きから再生されるところ。多少長くても分割されるよりも1つにまとめて配信される方が好みです。

みなさんはどんな聴き方をされていますでしょうか?

【チームマイカ】佐藤新一(ポトフ) 

投稿者プロフィール

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佐藤 新一

2005年から配信する古参ポッドキャスター 。

Whizzo Production 代表。広告代理店の営業や企画制作会社のWEBディレクターを経て独立。WEB制作・ポッドキャスト制作やライター業などを行う。
座右の銘は「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクション」。

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