バンワーク再考/なぜ私たちは移動しなければならないのか?

東京に戻ってから、はや1週間。東京の暑さは少しマシになりましたが、先週は命の危険を感じるほどの暑さでしたね。「この時期に家に戻ってきたのは正解」と胸をなで下ろしました。

私たちは「」というコンセプトを掲げ、ハイエースを事務所にして移動しながら仕事をしていますが、さすがにこの暑さの中でバンワークを続けると、熱中症で倒れてしまいそう。ということで、今はエアコンがある自宅で仕事を続けています。

人間って、贅沢な環境にはすぐに適応するんですね。西日本の旅から帰った直後は、「わあ、水がいくらでも使える!」「お風呂がいつでも入れる!」と喜んでいたのに、今やそれが当たり前になってきています。

これが車の中にあるギャレー(シンク)。
とても小さいので、気をつけて使わないと周囲に水が跳ねてしまいます。

家だとこんなに便利なのに、なぜ私たちはわざわざ不便な環境に耐えながら車のなかで仕事をしているんでしょう。

昨夜、台湾料理店で友人と食事しながら、彼にそんな問いかけをしてみました。すると彼は、こう言いました。

「だって楽しいじゃないですか。会社勤務だと土日しか休めないから、あまり遠くには行けません。でもマイカさんは職場ごと移動できるんだから、仕事をしながら行きたいところに移動し、休日にはそこで遊べるんでしょう。いいなあ」

確かに、それはあります。会社を設立して21年、いつも仕事を優先していたので、長期休暇を取る暇はなく、旅行に行こうなんて思いつきもしませんでした。

仕事の優先順位に関しては、今も当時と変わっていません。変わったのは、「仕事をする場所をどこにするか」ということだけ。職場を固定しなければならないという固定概念を捨て、職場を動かしてもいいという考えに変えただけで、長年諦めていた旅行ができるようになりました。

たとえば「どうしても北海道に行きたい!」と思ったら、明日から出発してもいいんです。そのために長期休暇を取る必要はありません。仕事をしながら少しずつ北海道に向けて進んでいけば、いつか(1週間ぐらい?)は北海道にたどり着ける。実際、オンラインで打合せをしたり、原稿を書いたりしながら少しずつ進むことで、ずっと行きたかった鳥取砂丘にも行けましたしね。

昼間に諸々の用事を済ませた後、夕方5時過ぎに到着した鳥取砂丘。
あまり時間はなかったけど、見たい風景を見ることができて大満足でした。

さらに彼は、こんなことも言いました。

「それに、場所が変われば仕事の内容も変わるかもしれないじゃないですか。今度、恐山で原稿書いてみてくださいよ」

恐山で執筆……! それはちょっとシュールだけど、確かにちょっと興味があります。私が書く文章はエッセイや小説ではないので、さほど影響を受けることはないと思いますが、もしかすると少しだけ恐山フレーバーが漂う原稿になるかもしれません。

来週は京都取材があるので、週明けからバンワークを再開します。もちろん京都でも原稿を書きますが、その中に古都フレーバーを漂わせることはできるでしょうか。旅の様子は、随時レポートしていきますね。

最後に、ひとつだけ告知を。バンワーク用のInstagramにアカウントを作成しました。Instagramはリアルタイムに投稿していく予定です。ブログより生っぽいレポートになると思います。まだ始めたばかりでフォロワーが少ないので、よかったらフォローしてくださいね。

https://www.instagram.com/vanwork.jp/

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井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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