【PickUP!】喜びはどこに隠れ、どう見付けるか(イングリッド・フェテル・リー)

Facebookの友だちから「この本を読んでおくべき!」と勧められたのが、この本。彼が言うには「ものすごく右脳に語りかけてくる文章で、影響を受けて右脳を開放しまくった結果、肩のあたりが楽になりました。そして身の回りがカラフルになりました」とのこと。

興味を持ってAmazonで確認したところ、本の紹介に「TEDで、衝撃の世界1700万PV!」と書かれていたので、本を買う前にTEDを見てみることにしました。それがこれ。

動画は13分30秒とさほど長くないので、ぜひご覧いただきたいのですが、その内容をかいつまんでご紹介します。

2008年、イングリッドはデザイン学校の審査を受けていました。そのとき、彼女の作品を見た教授が「君の作品には喜びが感じられるね」と言ったそうです。彼女はそのとき、疑問を感じました。「形あるものが、なぜ形のない喜びを生み出すのだろう?」。彼女の「喜び」を追求する旅は、ここから始まります。

まず彼女は「喜び」と「幸せ」の違いについて考えました。曰く「幸せは長期間にわたって良い気持ちでいること、喜びは瞬時に飛び上がって笑顔にさせるもの」。この2つはごっちゃになりがちですが、このような違いがあるんですね。

次にイングリッドは、喜びの形を探すため、誰かに会うたびに「喜び」について聞いてみたそうです。「最近感じた喜びは?」「それはどんな状況で?」……そうやって聞いているうちに、繰り返し出てくる共通のものがあることに気づきました。

TEDで例としてあげられたのは、こういうもの。映像にも出てきましたが、見ているだけでワクワクするような、元気がでるようなものばかりでした。

  • サクラ
  • シャボン玉
  • プール
  • ツリーハウス
  • 気球
  • 動眼
  • アイスクリームのトッピング
  • 花火

これらは、ほとんどの人にとって共通して「喜びを感じさせるもの」だったそうです。そこで、これらに共通するものはなにか?と考えました。その特長は、以下の通り。

  • 丸いもの
  • 飛び出してくるもの
  • 対照的な形
  • たくさんあって豊か
  • 軽さ
  • 上昇

彼女は「喜びは感覚から始まることがわかった」と言います。「人には、喜びの感性がある」ということです。

そこで彼女はふと思いました。「では、なぜ世界はこういうもので満たされていないの?」。ここでTEDで紹介された映像は、さきほどの「喜び」の映像とは正反対。色がなく、直線的で、静かなものばかり。……正直言って、私はこういう感じは嫌いではないのですが、彼女がいうところの「ワクワクする」「生き生きする」という感覚は湧いてこないのは事実です。

喜びで満たされていないオフィスの例

なかには、この「喜び」の感覚に注目して建築物をデザインする人もいるそうで、彼女はその例を映像と共に紹介しましたが、会場からは笑い声が。そして彼女も「毎日こういった環境の中で暮らすのは……」と言います。はい、私もそう思いました(笑)。

ただ、「丸くてカラフルでたくさんあって軽いもの」が「喜び」という感覚を引き出すことを知っていれば、日々の生活のなかでそういったものを見付けることはできますし、随所にあしらってみたり、必要な場所においておいたりすることで、気持ちをひき立てることもできるはず。

最後に彼女は「喜びへの衝動は、生への衝動。私たちが幸せを追い求めるより先にすべきことは、もっと頻繁に喜びに出会えるようにする方法を見つけることなのかもしれない」と結びました。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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