【コラム】「あつ森」の花火大会で感じたオンラインイベントの可能性

COVID-19の影響で、さまざまなイベントが中止を余儀なくされています。私が世話役として参加している哲学カフェも同様で、2014年から6年間続いていましたが、いまは活動を休止しています。

そんななか、オンラインで開催を続けている哲学カフェもあるとのこと。そこで私は、先週土曜日「なごテツ」のオンラインカフェに参加してみることにしました。

参加者は10数名で、使っているサービスは。参加する前は「それだけの人数が参加してうまく進行できるものなのかな」と心配していましたが、実際にやってみると想像以上にスムーズで、リアルな哲学カフェとさほど違わない印象でした。

もちろん、回線の不具合や話すタイミングのズレなどの課題はありますが、それも時間の経過と共にあまり気にならなくなってきました。もしかすると、身体が少しずつ慣れていき、微妙なズレを調整できるようになってきたのかもしれません。

そういえば、以前、バンドをやっている友人から聞いたことがありました。「オンラインで集まって演奏すると、最初は微妙にズレがあり、うまく合わない。でもやっていくうちに各自が少しずつ間合いをとるようになり、だんだん合ってくる。これがおもしろかった」。

人の身体には、そういった「ズレ」を調整するという機能が備わっているのかもしれませんね。

ところで、先日「あつまれどうぶつの森」というゲームで花火大会が開かれました。ゲームですから、いくら花火を打ち上げても、それはただの「絵」。実際にあげる花火とは比べものになりません。そのことは頭では十分わかっているのですが……しばらく見ているとどんどん本物の花火のように見えてきて、しまいには火薬の匂いまで漂ってきたような気がしたんです。まさか、そんなはずはないのですが。

パッと広がる花火のビジュアルと、少し遅れて聞こえる「どーん」という音。そして、どうぶつ達のパチパチという拍手の音。これらの刺激が、子どもの頃に見た花火大会の記憶とオーバーラップし、とてもリアルに感じられたのかもしれません。いずれにせよ、かなり衝撃的な体験でした。

「オンラインイベントだから、生感が足りない」。今はまだそういう声が多いですが、もしかするとそれは過渡期だからなのかも。今後、技術の進化と共に私たちの身体も進化すれば、オンラインイベントがもっとリアルに感じられるようになるのかもしれないな、なんてことを妄想してしまいました。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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