【PickUP!】こんな時だからこそ、「わかりやすく」(小野真由美さん)

こんにちは。井上真花です。日々、ネットニュースやブログ、メールマガジンを見ていると、「これは!」と感銘を受けるテキストに出会うことがあります。この「PickUP!」は、私が見つけたとっておきのテキストを紹介するコーナー。著者に許可をもらったテキストを、順次紹介していこうと思います。第1回目である今回は、株式会社グラスルーツの代表取締役である小野真由美さんの、本日のメールマガジンから転載させていただきました。どうぞご覧ください。


先週7日に政府が緊急事態宣言をしてから、今日が最初のメルマガになります。今日は、社会に向けて出されている「新型コロナウイルス」に絡んだメッセージから、「わかりやすさ」の共通点について考えたいと思います。

今、政治や業界のリーダー、スポーツ選手など、いろいろな方がメッセージを出され、人々を励まし、道しるべを示しています。特に、政界や業界のリーダーたちのメッセージは重要性を増し、それがわかりやすいかどうかもポイントになってきていますよね。

私が共感した例を3つほど紹介します。

わかりやすさでダントツに光っているのは、小池百合子東京都知事です。わかりやすさの直接的な理由は「言葉」にありますが、それ以上に大きいのが、都民が求めていることを話してくれることではないでしょうか。

また、言葉の源にある「考え方」もわかりやすいです。たとえば、国は、状況に応じて段階的に制限を拡大する方針だったようですが、小池さんは「最初に早く大きく制限をかけて、徐々に緩和していくのが、危機管理の要諦(キッパリ!)」と言って、自分の意思とその理由を示していました。

「大義」を明確にするのも、小池さんの特長です。考え方がわかりやすく、伝える言葉がわかりやすい。まあ、政治家ですから当然と思うかもしれませんが、話がわかりにく政治家も大勢いますよね。

小池さんは、若者に人気のユーチューバーHIKAKINとも対談するなど、できることは何でもするという意気込みが行動に現れていて、それ自体もメッセージとして機能させている印象です。

イギリスではジョンソン首相が感染し、入院中ですが、今、小池さんが入院することになったら、本当にたいへん! ご自身の身を守りながら、指揮を取っていただきたいと思います。

2つ目は、東京都医師会の尾崎治夫会長と、そのメッセージです。4月5日には「もしも6週間みんなで頑張れたら」というメッセージを、4月8日には「専門家を大事にしよう。」というメッセージをfacebookに出されています(FBにログインしていないと見られません)。

抜粋になりますが、たとえば5日のメッセージでは、こんなふうに語りかけています。

「皆さん想像してみて下さい。新型コロナウイルス感染症に、もしも今この瞬間から、東京で誰一人も新しく感染しなかったら、2週間後には、ほとんど新しい患者さんは増えなくなり、その2週間後には、ほとんどの患者さんが治っていて、その2週間後には、街にウイルスを持った患者さんがいなくなります。」

これを読んで私が思ったのは、緊急事態宣言で示された1カ月ではなく、6週間なのだということ。ただ感染拡大防止のために1カ月自宅で、と言われるよりも、ゴールへの道筋がイメージできました。

実は、私、恥ずかしながら、医師会の会長というのは、もっと保守的で長いものに巻かれるような人物ではないかという先入観を持っていました。ところが尾崎さん、まったく違います。リーダーとして明確な意思を示しています。ちなみに、写真は会長室で飼っているアイボが撮ったものだそうです。

また「専門家を大事にしよう。」では、西村経済再生相と思しき人物を名指しせずに批判しています。その主張がもっともだと思うのは私だけではないでしょう。でも、批判することが目的なのではなく、専門家の意見にもっと耳を傾けてほしいというメッセージを伝えたいのだということがよくわかります。そして、そのメッセージを届けたい相手はおそらく安倍さんです(笑

3つ目は、自動車工業4団体によるメッセージ。話されたのは自工会の豊田章男会長でした。

冒頭で、こんな語りがあります。

「世の中にはコントロールできる話とコントロールできない話がある。コントロールできないことに深刻になればネガティブになる。自分がコントロールできることをしっかりやっていこう。コントロールできないことを誰かがやってくれていたら感謝しよう」。

ニュースなどから不安な情報にどっぷり浸かっている私たちにとって、自分がすべきことが何なのか、わかりやすくイメージできますよね。安心感を与えてくれる始まりの言葉でした。

会見では、決定事項のみを発表するのが慣例だそうですが、中盤では、これから考えていくことも紹介したり、国内でのモノづくりにこだわってきて本当に良かったという思いを述べたり、「我々の産業には、生き残るための粘り強いDNAがあるはずです。なんとしても踏ん張って、生き残っていきましょう!」と業界関係者を勇気付ける言葉もありました。18分におよぶスピーチは内容が盛りだくさんでしたが、4団体の意思と熱い思いの伝わる、素晴らしいメッセージだと思います。

3者に共通するのは、次の2点。意外にシンプルです。

  1. 聞く人・読む人の今の思いや疑問に添っていること。
  2. 「大義」を伝え、「意思」を伝え、「思い」も織り込んでいるということ。

それによって、相手の頭と心の両方にメッセージを届けることができ、結果として共感を生み出しているのではないでしょうか。

さて、「わかりやすさ重視」という観点で、官邸広報にも変化があることをジャーナリスト江川紹子さんの執筆記事を読んで知りました

7日に発表された緊急経済対策の会見で、質問に立った江川さんに対し、翌日の8日に菅官房長官から電話があり、追加説明があったそうです。「昨日の記者会見で、よくご理解いただけてなかったようなので」と。

発表の晩のラジオ番組で「よくわからなかった」と発言したことが漏れ伝わったのではないかと江川さんは推測していますが、これは相当に珍しいことのようです。そのほかの変化についても紹介されているので、ご興味があったら読んでみてください。

ニュースや会見、SNSでのコメントを「わかりやすさ」という視点からチェックしてみると、いろいろ学びがありますし、気も紛れます。

不自由な毎日ですが、くじけずに一緒にがんばりましょう!

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井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

一般誌や専門誌、業界紙や新聞、ネットコンテンツ、広報誌などの制作をするかたわら、電子書籍専門の出版社「マイカ出版」を立ち上げ、オリジナル作品をパソコンおよび携帯電話の電子書籍の販売サイトにて販売している。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として、哲学カフェ@神保町の世話役を担当。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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