【知識のワクチン】#02 感染防止戦略:STOP日本の感染拡大

次々と感染の情報、でも慌てることはありません

前回記事を書いた11日のあと、次々と感染例・死亡例が出たので、筆者も情報収集に忙殺されています。報道が加熱し、読者のみなさまも不安を覚えていると思いますが、特徴的なパターンが見えてきたので、現時点での新型コロナウィルス(以下WHO正式名称である COVID-19 と記述)の防御戦略がほぼ立てられるのではないかと考えています。そこで、現時点での感染状況を踏まえて、COVID-19の感染防止戦略をお伝えします。

新型コロナウィルス COVID-19はどれぐらい危険なのか?

まず現時点でわかっているCOVID-19の感染の特徴を整理します。

1. 40歳以上が罹患しやすい
特に50歳以上に患者が多いようです。

2. 高齢者ほど重症化しやすい
49歳以下は比較的軽症で済みますが、50歳以上は半数以上が重症化しています。もっともこれは基礎疾患と呼ばれる高齢者特有の持病が影響している可能性が高いです。

3.基礎疾患を持っていると重症化しやすい
この場合の基礎疾患とは、糖尿病・慢性肺疾患・慢性心疾患・免疫不全を表します。

4.感染しやすい
オックスフォード大学出版局に掲載された論文によれば、R0(Rノート)と呼ばれる感染症の伝染し易さ(1人の患者から何人に伝染するか?)の指標は3.28であり、WHOの推定値である1.4-2.5を上回っているとしています。
また査読前の論文ではありますが、イタリアとギリシアの研究者が発表した数値では5.5を超えるとしています。
米国CDC幹部も感染しやすさについては警告を発しており、いずれにしてもインフルエンザ並み(R0=1.4-4)の感染力があるものとして警戒したほうがよさそうです。

5.軽症・無症状者が多い?
これについては論文等が見つからないのですが、たいへんな勢いで感染が広まっていることについて「医者にも罹らない陽性の軽症者・無症状者が多いのではないか」との感染症専門家のコメントがいくつか記事になっています。

6.死亡率
湖北省以外の死亡率は0.5%(1,000人の罹患者のうち5人前後)に収束しつつあります。季節性インフルエンザの推定死亡率0.1%に比べると5倍に達していると見ることもできます。

7.子供は罹患しない
14歳以下にはほとんど罹患者がいないようです。理由はわかっていません。また妊婦を調査した結果、生まれた子供への垂直感染は今までのところ発見されていません。

参考:9人の妊婦におけるCOVID-19感染の臨床的特徴と子宮内垂直伝播の可能性:医療記録の遡及的レビュー

感染予防の戦略

これら論文およびデータを併せて考えると、感染防止の戦略が見えてきます。

厚生労働省の発表では、渡航歴も中国からの帰国者への接触もない人の感染例が見つかったとのことです。これは一般的に「市中感染」と言われており、中国由来の1次感染者から3次感染まで拡がっている可能性が看過せません。そこで、私が考える年齢別・リスク別の感染予防対策は以下の通りです。

  • ハイリスク者=60歳以上の高齢者・基礎疾患患者・妊婦およびその同居人:通常の人より重めの感染予防対策を行う(後述)
  • 40歳以上の成人:通常の感染予防に加えて免疫力向上の対策を同時に行う。
  • 14歳以上40歳未満の成人:通常のインフルエンザ予防対策を行う。
  • 14歳未満の子供:罹患の心配は少ないが、医療体制に負荷をかけないためにも通常のインフルエンザ予防対策を行う。

では、明日から何を心がければ良いのでしょうか?

COVID-19はどこからやってくるか?

COVID-19の感染経路は接触感染および飛沫感染です。空気感染はいまのところ発見されていません。数日前にエアロゾル感染などという聞き慣れない言葉のニュースが流れましたが、あの記事は「肺炎患者の肺洗浄を行った際に飛散したエアロゾルで罹患」という極めて特殊な状況下でのことなので、一般人の我々が心配することではありません。

飛沫感染とは、ご存知のことと思いますが、患者の咳・くしゃみ・会話で飛び散る鼻腔・口腔内からの飛沫で感染する形態です。普通に会話するだけでも飛沫は飛んでいることにご注意ください。

また接触感染については、国立感染症研究所が以下のような定義を発表しています。(新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(暫定版)

【濃厚接触の定義】

  • 新型コロナウイルス感染症が疑われる者と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を 含む)があった者
  • 適切な感染防護無しに新型コロナウイルス感染症が疑われる患者を診察、看護若しくは介護していた者
  • 新型コロナウイルス感染症が疑われる者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  • その他: 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者

われわれ一般人に重要なことは「その他」の部分です。これを私の言葉で言い直すと「市中感染していて無症状のまま生活している陽性患者と近い距離で会話していると、それだけで濃厚接触となって感染する可能性がある」ことを意味します。

これを踏まえて、重めの感染予防について次の記事で解説します

秋月 雅史

秋月 雅史

投稿者プロフィール

人生の大半をITビジネスに捧げてきたが、起業してからは「自分が何屋」と言えない日々が続いているうちに本当に何者なんだかわからなくなった。いまは危機管理コンサルタント(本業)、ベンチャー取締役、Webブランディング会社マネージャーなどを兼業している。自称「丘にあがったセーラー」。帆船で世界中の夏を追いかける日々を過ごすことが目標。

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