【インタビュー】No.0026 「おばちゃんでもバンドをやっていいんだ!」四半世紀のブランクを経てステージに立つ美魔女、こゆさん登場

大学時代、同じサークルでバンドをやっていたこゆさん。当時の彼女は、ニューウェーブバンドのボーカルでした。愛らしいルックスと、そのルックスに似合わない迫力のある声のギャップが魅力的で、とてもファンが多かったんです。大学卒業後、しばらく疎遠になっていましたが、久しぶりにあった彼女はなぜかハードロックのボーカリストに。そこで、なぜ今もバンドを続けているのか、その理由について尋ねてみることにしました。

井上 大学時代に歌を歌っていたのは知っていたけど、今もバンドやっているというのは知らなかった。そもそも、なぜバンドをやろうと思ったの?

こゆ 洋楽に詳しい友だちがいて、中学の頃からその子と一緒に洋楽のライブに通っていたの。だから、かなり昔から本物の音に触れていたのね。当時、外タレブームで、いろんな人が来日してた。デヴィッド・ボウイやフレディ・マーキュリー、ベイシティローラーズ、ヴァン・ヘイレン、UKとかね。今考えると、めちゃめちゃ贅沢な話。

井上 わー、いいな!

こゆ 小さい頃から、音楽にはなじんでいたわ。ずっとヤマハ音楽教室で個人レッスン受けていて、ピアノやギターを弾いていたの。もともと歌が好きで、よく歌っていたし。高校のとき、学園祭で「天国への階段」をギターで弾き語りしたら、父親から褒められた。だからきっと、私は歌が一番上手なんだと思って、大学からはボーカルに徹したの。

井上 そうそう。覚えてる。たしかニューウェーブバンドだったよね。

こゆ そう、当時の流行りを意識してニューウェーブバンドをやっていたけど、本当はずっとフリートウッド・マックがやりたかったの。

井上 そうだったんだ。知らなかった! 大学のあと、バンドは続けたの?

こゆ やめてしまったわ。その後、結婚し、ますますバンド活動からは離れていった。

井上 そんなこゆさんが、またバンドを再開したきっかけは?

こゆ ある日、買い物帰りのおばちゃんがギター背負っているのを見た時に衝撃を受けたの。おばちゃんでもバンドやっていいんだって。で、インターネットのバンドメンバー募集サイト「OURSOUND」でメンバーを探したところ、ドラム、リードギター、ベースが見つかり、2015年夏にバンドを結成。その後、課題曲を決めて、 2015年9月24日に初めてのリハーサルをやったわ。

井上 それが、今のバンドの母体になったのね。バンドの名前を教えてくれる?

こゆ La reine des lys。フランス語で「山百合」という意味なの。フランスでは、「山百合=百合の女王」という意味があるんだって。で、私の本名が「さゆり」でしょう。バンドでは私、女王として君臨しているものだから、「百合の女王」はぴったりだと思って(笑)。

La reine des lysのライブの様子

井上 女王として君臨って……(笑)。

こゆ その後、夫と離婚することになり、子どもがいたものだから色々大変で、いったん音楽から遠ざかろうとしたのよ。だけど、そのとき相談に乗ってくれていた人が「つらいときこそ、好きなことから離れてはだめ。趣味は大事よ」って言ったから、それもそうだと思って、私、バンドはやめないことにしたの。

井上 なるほどね。ところで、バンドではどんな曲をやっているの。

こゆ QUEENの「Now I am Here」とか、Led Zeppelinの「The Rover」とか、fleetwood wood macの「Love  In Store」、「Rhiannon」「Dreams」とか。

井上 おお、やっとフリートウッドマックがやれたのね!

こゆ そうなの。それにしても、今は便利な時代よね。昔は、やりたい曲があっても曲をどうやってメンバーに聞かせればいいか難しかったじゃない? でも今は、YouTubeのURLをグループLINEで配布すればいい。しかも、YouTubeには昔のライブ映像がわりと残っていて、いろんなバージョンが聞ける。ライブバージョンって、すごく便利なのよ。

井上 どうして?

こゆ CDの音源は、たまに最後がフェイドアウトしたりするでしょう。でもライブ盤は、きっちり最後まで演奏する。だから、どうやって終わればいいかがわかる。これが大事なのよ。

井上 なるほどね。そうそう、YouTubeにはいろんな音源があるよね。私もよく聞いているの。最近は、コピーバンドの演奏も聴けるしね。そういうのって参考になるの?

こゆ うーん、コピーバンドはちょっと……。私には原曲を大事にしたいというポリシーというか、こだわりがある。前にメンバーがコピーバンドの音源を送ってきて、ずっと「なんか変だな」と気になっていたの。まるで本物そっくりなんだけど、なにか違和感がある。あとで確かめてみたら、コピーバンドだったのよね。このちょっとしたズレを、私は許せない。私たちがバンドでコピーするなら、原曲でなければダメなの。

井上 こゆさんには、そういうシビアな面もあるのね。メンバーと喧嘩しない?

こゆ そういうこともあるわ。私にはやりたいイメージが明確にあるから、少しのずれも許せない。でも、そのずれは私にしかわからない。だから、そのずれをちゃんとメンバーに説明し、理解してもらわなくちゃいけない。どうしても妥協できないところなのよ。

井上 じゃ、La reine des lysのリーダーは、こゆさんなのかな。

こゆ そう思ってもらっていいと思う。たしかに、バンドのコアな部分は私が担っている。そして、それを理解してくれるメンバーに恵まれている。ありがたいことよね。バンドって始めてもすぐに止めちゃう人が多いので、4年も続けているってことは、ちょっと自慢できるのかも。メンバーがみんな、このバンドを大事に思ってくれているみたい。

井上 なるほどね。バンドの中でのボーカルってどんな存在だと思う?

こゆ ボーカルは、フロントマン。ステージの上で客の前に立ち、すべてを受け止めるのがボーカル。私はその覚悟をもってステージに立っているという自負心はあるわ。

井上 すごい覚悟ね。

こゆ これは私のプライドでもある。私は普通のおばさんじゃない、という自尊心があるの。私が私であり続けるために、バンドは絶対に必要。今のメンバーで、これからもずっとやっていきたいわ。

井上 最後に聴きたいんだけど、こゆさんにとって音楽はどういうもの?

こゆ 私にとって音楽は、自分がうまく機能できる場所。パワーダウンしているときに外からインプットできて刺激になるのはロックだった。そして、アウトプットできるのがバンド。聴くのは思索を伴う快楽で、生の演奏に合わせて歌うのは、肉体・五感を駆使する快感。快楽と快感、私にはどちらも必要なのよ。

私(井上)とこゆさんの2ショット。お話してくれてありがとう!
井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

一般誌や専門誌、業界紙や新聞、ネットコンテンツ、広報誌などの制作をするかたわら、電子書籍専門の出版社「マイカ出版」を立ち上げ、オリジナル作品をパソコンおよび携帯電話の電子書籍の販売サイトにて販売している。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として、哲学カフェ@神保町の世話役を担当。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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