【#0026】安田理央が「常に全部持ち歩きたい」欲を叶えたノートとスマホの使い方とは

以前、博物館の「エロとデジタルの関わりを研究するライターが求めた究極のモバイル端末とは」記事で取材させていただいた安田理央さん。取材では、主にPDAやスマホの使い方についてお話を聞いていましたが、途中、ノートを取り出して「実は、これとスマホを一緒に使うと便利なんですよ」と話し始めました。そのお話がおもしろいだけじゃなく、実際にとても役立つ情報だったので、ぜひ1000人に掲載させてほしいとお願いしたところ、ご快諾下さいました。

井上 安田さんと私は、もともとPDAつながりで出会ったんだけど、PDAを使う前は、どんな風にスケジュールや連絡先を管理していたの?

安田 バインダー式のシステム手帳だね。その中に、資料やメモをどんどん入れて、持ち歩いていた。

もともと「いつでもどこでも仕事できるようにしておきたい」「仕事に関するものは全部持ち歩きたい」という欲望があった。そこで、資料を1つにまとめて持ち歩くにはどうすればいいか、いろいろ試したの。ケースをラウンドジップ型のものにして、その中にいろんな資料を入れるという方法は、なかなかよかった。これ一個あればなんでもできるという安心感があったんだよね。

とても気に入ったので、しばらくそうやって使っていたんだけど、やがてリフィルを増やし過ぎて肥大化してしまった。でかくなりすぎて、重くなっちゃったので、携帯するのがちょっとイヤになったんだよね。

その頃、ザウルス(シャープ)が発売されたので、ちょっと見てみようと思って。これになにもかも入るんだったら、軽くていいんじゃない?って。で、実際に触ってみて、メモやスケジュールや連絡帳をザウルスに移行できるという感触があったので購入。その後しばらくは、ザウルスだけで幸せに過ごしていたんだよ。

井上 ザウルスにデータを入れるのは、どうやったの? パソコンと同期?

安田 いや、パソコンとは同期してなかったな。たしかザウルスに1つずつデータを入力していったんだと思う。ぼくが使っていたのはカラーザウルスで、カラーだったから写真も入れられた。これがよかったんだよね。

井上 当時HP200LXも人気だったけど、そちらはあまり興味がなかった?

安田 たしかに、ちょっといいなとは思ったんだけど、実際に触ると「これは使わないな」と。なんとなくね。ぼくはコレクターじゃないから、使わないものはできるだけ持ちたくない。だから、理想的だと思われたイーモバイルの「EM・ONE(エムワン)」(シャープ)を入手したのに、実際は全く使い物にならないとわかったときは、とても頭にきて PDAと決別したほど。

井上 その後は、ガラケー派?

安田 そうそう。当時、ガラケーはかなり進化していて、でいろいろできたからね。ガラケーがあれば、それで十分だった。その後、iPhoneやAndroidのスマホが出て、これこそなんでもできるからそれなりに満足していたんだけど、実は今は、ノートも使っています。Galaxy Note8(サムスン電子)とセットで持ち歩いています。

安田 一時はモレスキンだったんだけど、今はロルバーン。ペンにもこだわりがあって、pilot BKT-1SR-Sを使っています。ノートのリングに収まるサイズのこれが好きなの。

井上 スマホがあればいろいろできると思うけど、なぜノートも必要なんですか?

安田 ぼくには、アナログとデジタル、どちらも必要なんだと思う。たとえば、基本的に考えていることを書き出すときは紙を使いたい。紙に書いていると、頭の中が整理されていくんです。タスク管理もそうで、「今、なにをすべきか」ってことをまず紙に書き出し、それを見ながらスマホに入力していく。タスクを確認したり、実行したタスクにチェックを入れたりするのは、スマホのほうが手軽で便利。だから、いつも2つセットで持ち歩いています。

 たしかに私も頭の中にあることを書き出すときは紙ですね。いつも裏紙つかっているけど、ノートもいいなあ。

安田 ノートは便利だよ。ポケットがあるから、そこになんでも挟めるし。なくしたくないものは、なんでもペタペタ貼っておけば、あとで見直して思い出せるし。たとえばこんな風に、駅弁の写真を貼るのも楽しいしね。文字も書くけど、長い文章じゃなくて、固有名詞だけとかね。メモというより、日記や日誌のような使い方なのかなあ。

井上 メモしておかないと、すぐに忘れてしまいますからね……

安田 そう。だからぼくは、ちょっとしたことでも書き留めておくようにしています。なんでも、メモしておかないと覚えられないのよね。やったこととか、会った人とか。人に会って名刺をもらったときは、名刺をスキャンデータにしてスマホに取り込むんだけど、そのあと、名刺本体をノートにペタッと貼っておく。そうすれば、いつ頃だれに会ったとか、すぐに書くに出来て便利だよ。

井上 なるほど。それは真似したいアイデアです。ところで、スマホでもメモアプリ使っています?

安田 使っているよ。前からEvernoteは使っているけど、そのほかにSimple NoteやKeepとか。用途としては、よく見返すリファレンスなメモはSimple Noteで、ちょっとしたメモを書くのがKeep。データをまとめておいて、検索するのはEvernoteって感じ。スキャンデータは、だいたいEverenoteに時系列にそって保存されていくから、Evernoteをみれば必要なものはほぼ見つかる。検索機能もついているしね。

井上 そうですね。私もEvernoteを使っています。でも、メモしたいことを思いついて、スマホを取り出してEvernoteを起動して……とやっているうちに忘れたりすることもあって。

安田 さっとメモできないと困るよね。そこで、最近見つけた最速のメモスタイルを教えましょう。これ知ってる? 「Galaxy Note8」はスリープ状態でも、専用のスタイラスで液晶画面にメモできるっていうやつ。

井上 あ、知ってます! 友だちがそれ使っていて、さんざん自慢されました(笑)。ブギーボードみたいに使えるんですよね?

安田 そうそう。スマホを取り出してすぐ書けるから、タイムラグが発生しないの。今のところ、ぼくにとって最速のメモ環境はこれ。おすすめですよ(笑)

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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