Xを捨て、LINEで自分専用タイムラインを作ってみた

スタッフコラム

TwitterがXになり、もうタイムラインとして眺める気になれなくなった。まず、時系列で表示されなくなった。自分がフォローしている人たちの「今」を追っているつもりが、いつのまにかアルゴリズムが選んだ投稿が並ぶようになっていて、時間の流れという感覚そのものが崩れてしまった。それに、「〜なう」的なカルチャーもすっかり消えた。ちょっとした今の状況や気分を気軽に垂れ流す、というあの空気感が、今はもうない。

何より、アクセス数やインプレッションを稼ぎたい人たちの発信が主流になった。誰かに読まれること、拡散されることを前提にした投稿ばかりが目につくようになると、そこに自分の何気ない一言を挟む気になれない。惰性でアプリを開いても、以前のように「なんとなく世界の流れを追う」感覚が戻ってこない。

そもそもわたしが本当に欲しかったのは、「世界のタイムライン」じゃなくて「自分のタイムライン」だった。1日の行動と思考をタイムスタンプと共に残せば、あとで見返したときに時間の使い方がわかるし、無駄があれば改善できる。ふと浮かんだ気づきを書き留めておけば、自分の思考ログにもなる。

ヒントは夫だった。自分用のメモを私宛のLINEで送ってくる。最初は「なぜ私に」と思ったが、よく考えたら理にかなっている。自動でタイムスタンプが付き、入力も速い。「自分だけのLINE、作れるよ」と教えた。やり方は簡単で、グループ作成でメンバーを誰も追加せず、そのまま作成すると、自分ひとりだけのグループトークができる。名前を「メモ」などにしておけば、あとは思いついたことを書き込んでいくだけでいい。

教える前に自分でやってみたが、そこに並んでいのは私が求めていた自分のタイムラインだった。トーク画面を開くだけで時系列に自分の行動と思考が並んでいく。あとから眺めれば、その日どんなふうに時間を使っていたかが一目でわかる。

とはいえ、LINEアプリを開いて、トークルームを探して、入力して……と操作するのは面倒だ。この操作をやっているうちに、せっかくの「気づき」が消えてしまうかもしれない。そこで、iPhoneのショートカットアプリで、このトークルームに直接テキストを送れるショートカットを作った。ホーム画面や共有シートからワンタップで起動できるようになり、格段に書き込みやすくなった。

ここまで来ると欲が出る。Apple Watchからも書き込めたら、もっと気軽になるのではないか? ところが、LINEはApple Watch単体でのアプリ動作に対応していない。あきらめられずに試行錯誤していたら、Apple Watch上で動くショートカットを別途組むことで連携させる方法を見つけた。要は「Watch側のショートカットが起点になり、iPhone側の処理を呼び出してLINEに送信する」という仕組みだ。

いちいちiPhoneを取り出して何か書くのは、ちょっとしたことほど面倒に感じる。ポケットやバッグから出して、ロックを解除して、アプリを開いて……そのわずかな手間で、書く気が失せてしまうことがある。でもApple Watchなら簡単だ。手首を返してショートカットを起動し、音声入力で喋るだけ。歩きながらでも、家事の合間でも、思いついた瞬間にそのまま声で残せる。この手軽さこそが、ライフログを続けられるかどうかの分かれ目になる。しばらくこの方法で行動のタイムラインを記録していこうと思う。

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。

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