最近、なりすまし電話の話をよく耳にするようになりました。私の周囲でも、詐欺にひっかかりそうになった人がたくさんいます。このままではよくないと思い、10月24日付け日本経済新聞の土曜別刷り『NIKKEI プラス1』の「生活上手」コーナーに寄稿しました。タイトルは「なりすまし電話をスマホで撃退」です。警察、市役所、通信会社、銀行、ときには家族。いろいろな相手を名乗ってかかってくる電話に、スマホの設定でどう備えるかという内容です。
企画を考えた時点では、警察官をかたる詐欺に絞るつもりでした。被害が大きいうえ、着信画面に本物の警察署の番号を表示させる手口まで出てきていて、題材としては十分だと考えていたからです。しかし考えてみれば、読者が実際に受ける電話は警察だけではありません。市役所の還付金、通信会社の未納料金、それに家族を名乗るもの。しかも調べていくと、一本の電話の途中で名乗る相手が入れ替わる手口まで確認されていました。通信会社の担当者として話を始め、途中から警察官役に交代するというようなやり口です。そうなると、「誰を名乗っているか」で本物かどうかを見分けようとすること自体に無理があります。記事の軸が、ここで決まりました。
記事では3つのポイントを挙げました。名前で見分けない。先にスマホに調べてもらう。お金の話が出たら切る。
一つ目が全体の前提になっています。着信画面の表示は偽装できるので、画面に警視庁の番号が出ていても、警視庁からかかってきたとは限りません。見分けようとするほど、相手の用意した土俵に乗ってしまいます。だから、判断ではなく仕組みで対処する。iPhoneの着信スクリーニングや、Androidの迷惑電話の警告表示を使って、出る前に手がかりを増やしておく。設定の手順は紙面で紹介しています。
記事で紹介した「電話帳ナビ」は、私自身がふだん使っているアプリです。知らない番号から着信があったときに相手先を表示してくれるもので、紙面にはその画面も載せています。
この手の電話は、一人で受けて一人で判断してしまうのが一番危ないところです。記事にも書きましたが、「誰にも言わないでください」と口止めされたら、むしろ誰かに話してほしい。本物の警察が、家族への相談を止めることはありません。ご自身の設定を見直すついでに、ご家族のスマホも一緒に確認していただけたらと思います。
記事は、日経電子版でも読めます。こちらのリンクにアクセスし、ご覧ください。