好きとアンチって、紙一重なのかな

スタッフコラム

ふたつのもやもや

最近、続けざまに似たような気持ちになる出来事があった。ひとつは料理系YouTuberのリュウジさんの動画が削除されたという話で、もうひとつは楽しみにしていた「軽バンライフ」というチャンネルの休止報告。全然別の話なんだけど、なんとなく同じことを考えさせられた気がして、少し書いてみようと思う。

リュウジさんの動画が消えた

リュウジさんが鶏肉と玉ねぎの煮込み料理の動画を上げたところ、いわゆる「味の素アンチ」として知られる人物が「自分の作る鶏のステーキのほうが100倍うまい」と絡んでいった。
それに対してリュウジさんは、怒るのではなく、その鶏のステーキを実際に再現してみせる動画を作った。相手の映像を一部引用する形で紹介していたのだが、そこに著作権の申し立てがあって動画が削除されることになった、というニュースがあった。
ぼくはたまたま削除前に視聴していたので、著作権の申し立てをするほどのことかなと、なんとなくもやもやした。仕組みとしてはできるのはわかるんだけど。
動画を見ながら思ったのは、そもそも煮込み料理とステーキを比べて「100倍うまい」と言うのも、ちょっとよくわからない話だな、と。ラーメンとすき焼きを比べるようなもので、土俵が違う気がする。なんであそこに絡んでいったんだろう。
シンプルな料理でここまでうまいんだぞ、という鶏への思いを伝えたかっただけなのかな、とも思う。だとしたら、リュウジさんが好きすぎて絡まずにいられなかっただけ、とも取れる。昔から、好きな人に絡んでしまう人っているよな、と思ったりした。

軽バンライフが休止するというライブ配信

そんなことを考えていたら、楽しみにしていた「軽バンライフ」というチャンネルが休止するというライブ配信があった。
軽バンライフは、スズキショータさんがキャンピングカーで生活しながら競馬や競輪を楽しむ様子を記録したチャンネルだ。観光したり、競馬したり、勝ったり負けたり。ときどき100万円超えの大当たりがあったりして、なかなか面白い。複勝ころがしで数万円を数十万円に育てることもある。
「勝てば70万の勝負」に負けたとき、「元々なかったお金だから、76万を失ったわけじゃない」とさらっと言っていた場面があって、なかなかいいことを言うなと思ったりした。
休止の理由は、編集を一手に担っていたスタッフさんが辞めたいということで、動画が作れなくなったから、とのこと。
そのライブ配信のコメント欄には応援の言葉も多かったけれど、厳しいことを言う人も一定数いたようだ。心配するあまり強い言葉になってしまっているのか、それとも純粋な批判なのか。気になっている人には、どうしても一言言いたくなってしまうんだろうな。それってアンチって言うのかな。

アンチって、実はよく見ている人なんじゃないか

ふと思ったのだけど、アンチと呼ばれる人たちって、ファンよりも動画をよく見ているんじゃないだろうか。重箱の隅をつつくためには、ちゃんと動画を見て、言っている意味もきちんと把握しないといけない。それだけの時間と労力をかけているのって、ファンと何が違うんだろう、と。
好意が行動を動かしているとき、その向かう先が応援になるか批判になるかの違いだけで、根っこは同じなのかもしれない。ストーカーも、結局は「関心」が自分勝手に暴走した姿だよな、とも思う。相手は他人なのに、自分の思い通りに動いてくれると思い込んでしまっている。
コミュニケーションって難しいよね、とつくづく思う。

それぞれが、それぞれの世界を生きている

少し話が広がるけど、「環世界」という概念がある。生物はそれぞれ異なる感覚器を持ち、異なる世界を生きているという考え方で、もともとは虫と人間の知覚の違いを説明するためのものだ。でもこれって、人間同士にも当てはまる気がする。
外国から日本に来た人が、ネオン街の明るさに圧倒されるという話を聞いたことがある。見慣れた景色でも、別の目で見ると全く違う体験になる。見えているものそのものが違うのかもしれない。
そういえば、海藻を消化できるのは日本人だけという話もある。腸内細菌の違いらしいのだけど、消化できるのとできないのとでは、体調にも違いが出てきそうだよな。同じものを食べていても、受け取り方が体のレベルから違う。人の感じ方や受け取り方って、思った以上にそれぞれ違うんだろうな。

関心が、いい方向に向かうといいな

公共の場でちょっとしたことに怒鳴っている人を見かけることがある。本人には正義があるんだろうけど、マナー違反程度のことなら、もっと別の言い方ややり方があるんじゃないかなと思う。自分にルールがあるように、相手にもルールがある。自分の見えている世界が、相手の見えている世界と同じとは限らない。SNSで怒り続けている人たちも、絡んでいる人も、同じ構造なのかな、とも思う。どうなんだろう。
好きとアンチは紙一重、なのかもしれない。批判も心配も怒りも、突き詰めれば「関心」から来ている気がする。
いまイランとイスラエルの緊張が続いていて、ホルムズ海峡の閉鎖とか停戦とか、いろいろ話題になっている。お互いが攻撃し合っている状況だけど、根っこにはどこか相手への強い関心があるんじゃないかな、と思ったりする。その関心が、いつかいい形で向き合えるものに変わっていくといいな。祈るような気持ちで、そう思っている。

秋葉 けんた

秋葉 けんた

IT系のライティングを担当。 書籍、雑誌、業界誌やWebコンテンツなど、コンシューマからB2Bまで幅広く執筆。また、広告やカタログ、導入事例といった営業支援ツールの制作にも携わる。年間におよそ200件の原稿を執筆。●これまでの主な仕事 PC/周辺機器(CPU/DVD・BD・HD DVD/LCD/プリンタなど)、基幹システム(CRM/ERP/SFA/SOA/帳票など)、ストレージ(SAN/NAS/LTO/SASなど)、セキュリティ(BIOS/UTM/情報漏えい対策/デザスタリカバリ/内部統制・コンプライアンス/ネットワークセキュリティ/メールセキュリティなど)、ネットワーク(KVMスイッチ/グループウェア/サーバ/資産管理/シンクライアント/ホスティングなど)、その他(.NET/BI/カタログ/各種戦略/導入事例/パートナー取材など)…ほか、多数執筆。●連絡先 メール:kenta@office-mica.com

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