【旧車生活】維持するには

スタッフコラム

先日、年金についてのコラムを読んでいた時のこと。
「これからの時代を生きて行くには、旧車に乗るかのごとくボロボロの体に鞭打って、壊れるまで働くしかない」という文章を見つけて、旧車に対するこのようなイメージに、仕方ないなあと思う反面、旧車に乗るのはそんな難行苦行ばかりじゃないし、楽しくやっていく方法を探せばいいと思った私です。

さて、路上整備をしていると、かなりの確率で散歩中の年配者から声を掛けられます。一説によるとチンクは【おじさんホイホイ】という噂。昔、自動車の整備をしていた方、スバル360に乗っていたおじいちゃん、現在、自分で旧車を整備して乗っている方もいらっしゃいました。チンクの佇まいが古い時代を思い起こさせるからでしょうか。皆さん押し並べて、「旧い車は弄りがいがあって良いね」とおっしゃいます。言い換えれば、「旧い車は面倒を見てあげないと、ちゃんと走ってくれなかった」ということですが、それだけ人とクルマの関わり合いが深かった証拠です。

同じように、若い方からも声を掛けられることがあります。年配者が排気量やエンジン形式など技術的な質問なのに対して若者は、「やっぱり壊れやすい?」「維持するの大変?」など、極めつけは、「走るんですか?」と旧車への直球な質問。ガソリン(電気)を入れれば普通に走るのが車なのですから、路上でジャッキアップした車の下に潜り込んでいる人を見れば、壊れてると思われても仕方ありません。そんな時は「まあ、なんとか」と答えるのですが、「旧い車に興味があって」と購入を考えている方からの質問には、きちっと返答するようにしています。

チンクの維持は国産の旧車に比べると、部品調達のしやすさ、機構のシンプルさ、専門店の数など、容易な部類に入ると思います。下記に購入する際の主なポイントをあげてみました。

1)点検や車検まで面倒をみてくれる専門店から購入しよう。
  →買ってからがお付き合いの始まり。
2)金額が高くなるが、出来るだけレストアの済んだ車を選ぶこと。
  →安い車は、結局購入した後の修理に出費が嵩む。
3)特にボディの状態の良い車を見つけること。
  →錆が一番厄介で、ボディの修復費用は時間と費用が掛かる。
4)メンテナンスフリーとはいかないので
  最低限の点検は自分でやる覚悟を持つこと。 
  →十分な点検と整備を受けた車は大きな故障はないが、
   良い状態を維持するため。
5)可能なら650ccにボアアップしてあるエンジンであること
  →500ccでももちろん走るが、流れについていけるし高速にも乗れる。
6)錆びやすいことから屋根付きの駐車場を用意できればベスト。

こんなところでしょうか。
旧車を維持するのは新しい国産中古車のようにはいかず、税制一つをとってもオーナーに負担がかかります。手を掛けることが楽しくなければ辛いだけ。一方、機械が好きで、自分で弄ることが三度の飯より好きなら、これほど楽しい趣味はありません。丸一日時間を潰せること請け合いなので、もっとたくさんの方達が旧車に親しんで下さったら嬉しいです。

水瀬 涼介

頭のなかにある景色を言葉にしていく楽しさを真花さんに教わり、 「カタチとして残るもの」へのあこがれを抱いてマイカのメンバーに加わった。趣味は愛する旧車のメンテナンス。 愛車は1971年式のFIAT500-L●これまでの主な仕事 外資系物流業界に長く従事。システム部、キーアカウント、4PLなど社内のあらゆる部署を経験したオールラウンダー。

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