デジタルブックのある暮らし(3)

電車読書なら、
やっぱりケータイでしょ!

ライター 門脇 大さん


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(1) どういう時に読んでいるの?
 たまにシグマリオンでも読んでいますが、主に携帯電話です。以前はシャープの携帯電話を使っていましたが、今使っているのはソニーエリクソンのW21S。シャープ携帯の時は、パソコンでダウンロードしてSDカードに入れて読んでました。今は携帯でダウンロードして、そのまま読んでます。フォントはシャープ携帯のほうが好みだったんですけど、これはこれで慣れると読みやすいです。携帯電話みたいに小さい画面でよく読む気になるなあなんて、よく言われます。それはきっと文字が小さいという意味だと思うんだけど、文字サイズは調整できますし、わたしはそれほど読みにくいとは思っていません。電車の中でわざわざシグマリオン取り出して読むのはどうかと思うけど、携帯電話ならそれほど目立たないし。これで本読んでても、周りから見ればきっとゲームしてるかメール読んでるって思うんじゃないですか。今ちょっと悩んでいるのが、読んでしまった本をどうすればいいのか、ということ。単にデータを削除すればいいと思うんだけど、せっかく買ったのに、と思うともったいなくて(笑)。みんな、どうしてるんでしょうね。

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(2) 何を使って読んでいるの?
 やっぱり移動中が多いですね。電車の中とか。家で読むのは、雑誌とか文庫本とか。となると、さっきもちょっと言ったけど、シグマリオンは少々でかい。カバンからごそごそ取り出してふたを開き、電源を入れて…なんて手順も面倒ですね。電車の中では、さっと取り出してワンアクションで読めるという軽快さが重要です。あと、喫茶店で編集部の人と打ち合わせしたりするんですが、相手が来るのを待つまでの時間、これで時間潰しすることもありますね。今って、よくも悪くも携帯電話を持ってなんかやるのが普通になっているでしょう。どんなシーンでも、携帯電話なら人から注目されることがないから、ひと目を気にせず読書に没頭できる。逆にシグマリオンだと、なんとなく周りから注目される気がします。


(3) お勧めタイトルは?
 一冊目は、「2039年の真実」。これは、ケネディ暗殺事件という国家ぐるみの大悪事を“日本の良心”落合信彦が斬るという内容の本です。日本でも昨今、政治腐敗が話題となっていますが、アメリカではさすがにスケールもデカイ! 20年経った今でも色あせない大胆な書きっぷりは、同じ物書きとして感銘を受けます。
 二冊目は、遠藤周作の「沈黙」。江戸期に来日したキリシタンたちの微妙な心情の移り変わりが、緻密にかつ絶妙に描かれています。実のところ、私がこれらの書籍を読んだのは高校生の頃。今の私は、休日ともなれば居間でグラビア片手にゴロゴロカウチポテトと、すっかり「ふにゃふにゃ人間」となってしまいましたが(笑)、昔はそれなりに大志をいだいていたんだろうなと、今の自分を省みる思いにさせてくれます。若かかりし時分に読んだ作品を気軽に再読できるというのも、電子書籍のメリットでしょう。
 最後の一本は、最近読んだ橋本治の「桃尻娘」。日活ポルノのタイトルとして記憶があったため、ちょっとしたエロ心で手を伸ばしたのですが、意外や意外。高校生の複雑な恋模様を軽快なテンポでつづった名作ドラマだった。あー、青春してー(笑)

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