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父の新しい住まいが決まり、いよいよ熊本から東京へ移動する段取りが本格化しました。今回は 「実家をどう整理し、どうやって引越ししたか」 をまとめます。準備段階で ChatGPT に相談した内容と、それをどのように実行へ移したかを中心に振り返ります。
1.「何を持っていく?」──持ち物リストを AI と作成
最初に悩んだのは 「必要最低限、何を運ぶか」 でした。ChatGPT に
「一人暮らしの高齢者がサービス付き高齢者住宅へ引っ越す際、持っていくべきものを教えて」
と尋ねると、以下のようなカテゴリ別リストを提案してくれました。
- 生活必需品(衣類・洗面用具・常備薬・貴重品)
- 思い出の品(アルバム・趣味の道具・手紙)
- 健康管理アイテム(血圧計・歩数計・かかりつけ医の紹介状)
- 家具・家電は最小限(介護ベッドがあるならタンスや椅子は必要数に絞る)
このなかの「思い出の品」は想定していなかったのですが、調べておいたおかげで、父が梱包するものを選ぶ際、アドバイスできました。結果として 「生活を回すのに欠かせない物+心の拠り所になる物」 を厳選し、コンパクトにまとめることができました。
2.「ベッドは届くけれど布団は?」──寝具問題を解決
施設側が介護対応ベッドを用意してくれるものの、布団類は各自で手配が必要でした。ChatGPT に
「施設備え付けの介護ベッドを使うとき、布団や寝具はどうしたらいい?」
と尋ねると、
- サイズ確認(幅・長さ・マットレス厚さ)
- 洗濯しやすさ重視(速乾シーツを複数枚)
- 持参か現地購入か を配送コストで比較
というガイドを提示してくれました。そのおかげで、転居の一週間前に実家に行ったとき、押入れの中にある布団を出してこの条件にあうものを探し、布団袋に詰めることができました。
3.「引っ越し業者はどう選ぶ?」──数社を比較する
今回は アートセッティングデリバリー社の単身者向け引越サービス「わたしの引越」 に決定しました。ChatGPT に
「高齢者の長距離引っ越しで業者を選ぶチェックポイントを教えて」
と質問し、そのポイントを参考に数社の引越しサービスを比較しました。アートセッティングデリバリー社の「わたしの引越」は 単身パックがある/必要な梱包資材を別途オーダーできる/到着日時を指定できる /依頼、キャンセルなどの手続きもすべてネットで完結するという点が決め手になり、お願いすることに。
4.「引っ越し費用はいくら?」──概算と実額のギャップを確認
ChatGPT から提示された長距離単身引っ越しの相場は「混載便で 7~9 万円程度」。ところが 「わたしの引越」 のパッケージ料金は 約 5 万円(梱包材込み・税込み)でした。AI の相場感を知っていたおかげで「5万円なら安い」と自信を持って即決できたのは大きかったです。
5.「実家は空き家になる」──メンテナンス方針を決定
父が転居した後の実家管理は大きな課題でした。ChatGPT からは
- 月 1 回の換気と通水
- 庭木の剪定や郵便転送 を地元シルバー人材センターで手配
- 見守りサービス(外観巡回と写真報告)の活用
といった提案を受け、最終的に 地元の便利屋で管理を委託することにしました。「父と相談し、半年後をめどに売却か賃貸かを再検討する」という方針です。
6.「引っ越し当日までにやるべきこと」をリストアップ
ChatGPT が作成した工程表は以下のとおりです。
✅ 事前に準備するとよい項目
◆ 医療関連の引継ぎ・準備
- [ ] かかりつけ医に紹介状を依頼(内科・歯科など)
- 転院先が決まっていなくても、「情報提供書」を出してもらうとスムーズ
- [ ] 服薬情報/お薬手帳の確認
- 薬が切れないように、入居1〜2週間分の余裕をもっておく
◆ 健康診断書の確認(施設によって必須)
- [ ] サ高住から指定された健康診断書の有無を確認し、早めに手配
- 指定の病院/内容/提出期限がある場合も
◆ 契約書類に関する予備チェック
- [ ] 連帯保証人・緊急連絡先の確認と同意
- 一人っ子の場合、親族以外が必要になることも(民間保証サービスの案内がある場合も)
✅ 熊本滞在中 に追加するとよい項目
◆ スムーズな引越しのための準備
- [ ] 介護タクシー・移動手段の予約(身体状況に応じて)
- [ ] 暑さ対策グッズの準備(東京の夏は熊本より暑い場合も)
- 扇風機・保冷剤・日傘など
◆ 自宅の管理や売却に関わる点(空き家になる場合)
- [ ] 空き家管理/見守りサービスの検討
- [ ] 固定資産税・火災保険の整理
- [ ] ご近所・町内会長へ自宅の今後の予定を一言伝える
- 急に空き家になると不審に思われるため、軽く挨拶しておくと安心
✅ 入居後:生活整備 に追加するとよい項目
◆ 日常生活の立ち上げ
- [ ] 洗濯・ゴミ出しなどの生活ルール確認
- [ ] ゴミ袋の購入・曜日表の貼付(地域指定のある場合)
- [ ] 施設スタッフに顔見せ・ちょっとしたお礼(お菓子など)
- 信頼関係の第一歩に◎
◆ メンタル・安全面のケア
- [ ] 定期的な声がけ・訪問スケジュール(初月は特に密に)
- [ ] 本人の不安軽減のための“お気に入りグッズ”を一つ持たせる
- ラジオ・家族写真・日記など
このリストの中から必要な項目を抜き出し、父と情報を共有しながら、1週間という短い期間で必要な作業をすべて終えることができました。自分ひとりで考えていたら、ここまで書き出せなかったと思います。ChatGPTのおかげで抜け漏れなく進めることができました。
まとめ──AI と人間、それぞれの強み
- 情報整理は AI が担当し時短に成功
- 現場の判断と感情ケア は人間が担当し安心感を確保
この分担が、遠距離かつ短期決戦の引っ越しをスムーズに進める鍵になったと実感しています。次回は 「東京への移動から入居まで」 をお届けする予定です。引き続きご覧いただければうれしいです。