閃光(楠田文人)

その女性の肉体は消えた。残されたのは、空中に写り込んだ彼女の姿だけだった。前から見ても、横から見てもはっきりと見えるのに、厚みがなく触れることができない。透き通ってさえいる…。

ある日起きたその事件は、やがて世界中に広がり、様々な生き物が空中写真に変えられていった。いったいなぜ、こんなことが起きるのか。調査の果てにたどり着いた意外な存在とは。

楠田文人さんが描く不思議ワールドの(私的)ベストワンがこの作品。この不可思議な読後感、なにかに似ている……と考えていたら、これでした。「世にも不思議な物語」の第374話 「影が重なる時」。

運命の残酷さと、受け入れざるをえないと諦める切なさ、命の不思議。そんな、なんともいえない気持ちをじっくり味わえる秀作です。

ああ、そういえばこんなのもありました。これも好きだったなあ。

「神はサイコロを振らない」 http://kamisai.jp/

わかる人にはわかるはず。このあたりが好きな人は絶対ハマります。おすすめです。

井上 真花(いのうえみか)インタビュアー

投稿者プロフィール

有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。

長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。

主な業務は、一般誌や専門誌、業界紙や新聞、Web媒体などBtoCコンテンツ、および広告やカタログ、導入事例などBtoBコンテンツの制作。

プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として「哲学カフェ@神保町」の世話人、2020年以降は「なごテツ」のオンラインカフェの世話人を務める。趣味は考えること。ライフワークは「1000人に会いたいプロジェクト」

井上真花の公式ホームページはこちら

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