東京は梅雨真っ只中ですが、連日雨降りというわけではありません。基本、どんよりとした曇空ですが、週に二日ほど洗濯物を干せる日があるので、今のところエアコンに頼らず、割と快適に過ごしております。

そんな天気に恵まれた土曜、久しぶりに遠出しました。解禁されたとは言え、自粛中は控えていた他県への越境は、少しドキドキします。

外は適度に雲があり、焼けるような日差しではありません。いつものように、渋滞のない高速の一番左車線を走ります。うちのは650CCにボアアップしているので、2人乗車でも90kmの巡航は可能ですが、騒音や振動のことを考えると、快適走行の上限は80km。とは言うものの、トロトロ走っていると迷惑極まりないので、車の流れを乱さないペースに乗ることを心がけます。 

私はよく、大型物流トラックの後ろを付いていきます。トラックは巨大な風除けになってくれますし、遠くからでも見えるから、後ろからくる速い車は、前もって車線変更してくれます。もうひとつ、トラックの運転手は法定速度の若干下をキープしてペースを乱さず走るプロドライバーなので、その後ろについていれば常に一定の車間距離を保って走ることができます。それが気分的にもとても楽なんです。

高速を降りたら、田園風景の中をトコトコ走ります。雨で潤ったせいなのか、木々の緑が濃く、三角窓から入ってくる風に乗って、水を張った田んぼの匂いや、樹々の草むした香りが鼻をくすぐります。バイクのように季節を肌で感じられるのは、エアコンの付いていないチンクならではの醍醐味。そんなチンクだから、田舎道をトコトコ走るのが本当によく似合うんです。

エンジンはすこぶる調子が良いし、気持ちの良いドライブでした。予定通りの時間で着いたカフェの店内では、どこからかカエルの声が聞こえ、以前と変わらぬ優しい時間が流れていました。

子供の頃、実家の周りにはまだ田んぼがたくさんあって、この時期になるとあちこちからカエルの声が聞こえてきました。傘をさして畦道を歩くと、ほっぺたの袋を膨らまして鳴いているトノサマガエルをよく見かけました。雨粒が傘やビニルハウスに当たる音や、カエルの鳴き声。川から田んぼに引き込む水音が幾重にも重なって聞こえます。少し煙ったような、眠くなるような風景。この時期、雨が降る夜は、そんな昔の情景を思い出します。

最近までトノサマガエルは日本中の田んぼで見られると思っていたのですが、西日本の一部や関東から仙台あたりまで生息しているのは、姿形が似ているダルマガエルか、トノサマガエルとの交雑種なんだそうです。両者の違いを解説したサイトを見ましたが、私には違いが分かりませんでした。しいて言えば、名前の通り、ダルマガエルの方が幾分丸い体型をしていて、斑点模様も丸くはっきりしている程度。自然の中で見かけたら、見分ける自信はありません。

そうそう。雨のおかげで、ワイパーの調子がすこぶる良いということもわかりました。異音はなく、動きも滑らか。モーターとリンケージの整備をして本当に良かったと思いました。とてもスムーズに拭き取ってくれるので、後付けしたMITSUBA間欠スイッチを入れるのが嬉しくてたまりません。このスイッチは、2秒~20秒まで無段階に間欠設定できます。さすがに使うことはないだろうと思っていた最長の20秒設定は、僅かな霧雨に最適。最短2秒設定も、土砂降り以外はオリジナルの早い連続拭きよりずっと良いので多用しています。笑い話のような以前の手動ワイパーと比べると、幅広い雨に対応できて大満足。ウォッシャーミストの電動化と相まって、近代化装備の恩恵を享受した今年の梅雨は、例年より雨ドライブが楽しめそうです。

水瀬 涼介ソリューションサービスチームリーダー

投稿者プロフィール

頭のなかにある景色を言葉にしていく楽しさを真花さんに教わり、
「カタチとして残るもの」へのあこがれを抱いてマイカのメンバーに加わった。

趣味は愛する旧車のメンテナンス。
愛車は1971年式のFIAT500-L

●これまでの主な仕事
外資系物流業界に長く従事。システム部、キーアカウント、4PLなど社内のあらゆる部署を経験したオールラウンダー。

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