No.0001 「…My cup of tea..」のポトフさんに聞く、ポッドキャストの「今」

13年10ヶ月続いた老舗ポッドキャスト「…My cup of tea…」は、昨年末(2018年12月26日)に第1シーズンが完結。サイトに「すぐに第2シーズンをスタートします!」というメッセージを残したまま、すでに4ヶ月が過ぎようとしています。そこで、たまたま東京にきていたポトフさんを緊急インタビュー。いまポトフさんが考えていることを取材してみました!

ポトフさん。東京出張のタイミングを狙って突然取材させてもらいました。ありがとうございました。

※ポトフさんのポッドキャストはこちら↓

www.mycupoftea.cc

実は奥さんがやりたがっていた!?

井上 ポトフさんがポッドキャストを始めて何年?

ポトフ 14年3ヶ月です(2019年5月11日現在)。

井上 おお、長い! たしか、初めてお会いしたのは某メディアの取材で、そのときポトフさんの肩書きに「ポッドキャストの重鎮」と書いた覚えが。

ポトフ そうですね。当時はまだ、日本ではポッドキャストやっている人は少なかったから。たしか、初めてAppleのポッドキャストに登録されたのが自分だったような

井上 なぜポッドキャストを始めようと思ったんですか?

ポトフ もともとポッドキャストをやりたがったのは奥さんで、「どうすればわからないから教えて」というので色々調べていました。ところが、いざやろうという段になって「やっぱり止める」といわれ、それはもったいなあと。せっかくここまで調べたのに、と。で、代わりに僕がやることになったんです。

井上 意外にライトな始まり方ですが(笑)、そのまま14年近く続けられたんですね。

ポトフ そうなんです。よくみなさんに「なぜそんなに長く続けられるんですか?」と聞かれるんですが、それは「辞める理由がないから」。だらだら〜っと続けているうちに、14年経ったという感じです。

なぜ日本にはポッドキャストが根付かない?

井上  最近の日本では、いまひとつポッドキャストが流行っていないように思うのですが、海外ではどうなんですか?

ポトフ アメリカも、一度ポッドキャスト人気が落ちた時期がありました。でも、またそこから復活してきて、最近はまた盛り上がっています。

たとえば、映画「ボヘミアン・ラプソディー」の主役だったラミ・マレックが次回出演作として選んだのは、ポッドキャストドラマの「Blackout」。3月20日から8回にわたって配信され、話題になりました(参考:ラミ・マレック、新たな主演作はPodcastドラマ! | MTV Japan)。

ジュリア・ロバーツが出演したテレビドラマ「ホームカミング」も、原作はポッドキャストドラマ。アメリカではラジオでドラマを聞くという文化があり、そこにポッドキャストはマッチしたようです。

アメリカでラジオを聞く文化が定着した理由はいろいろあると思います。たとえばアメリカは車で出勤する人が多く、車の中で聞くのはラジオが適していたというのもそのひとつ。

また、アメリカは広くて民放のテレビ電波が届かない場所があり、そういうところではラジオを楽しむしかなかった。

一方、日本人はみんな電車で通勤している。また、日本は狭い国だから、民放がしっかり各家庭に届く。テレビを見るから、ラジオを聞く必要がない。日本とアメリカには、そういう違いがあると思います。

「…My cup of Tea…」第一シーズンが終わった理由とは

井上 ところで、ずっと「ポッドキャストを辞める理由がないから」と言い続けてきたのに、昨年末になって急にクローズしたのはなぜ?

ポトフ クローズしたのではなく、シーズン1を終了しただけですから。ほんとはすぐにシーズン2が始まる予定だったんですが、忙しくてなかなか手がつけられなくて(笑)

井上 もともと不定期更新だったのだから、わざわざシーズンを終了させなくても……。なにか理由があるんですか?

ポトフ ひとつは、ポッドキャストの環境がいろいろ変化し、それにあわせてきれいにしたかったということ。昔はmp3音源で配信するのが普通で、僕もずっとそれで続けてきたんですが、いつの間にかアップルがAACを強く推奨すると言い出したんですよね。フィードの書き方も古くなっていたので、ちゃんとした仕様にあわせなくちゃいけないと思って。Spotifyにもちゃんと対応したかったですし。

もうひとつは、リンク切れが増えてきたということ。ひとつひとつ直せばいいんですが、それならいっそ、いったん閉めてきれいにしてからリスタートするのがいいかと思って。まあ、それも結構大変な作業なので、なかなか進まないんですが(笑)

日本でのポッドキャスト、これからどうなる?

井上 ところで、ぶっちゃけポッドキャストの収益モデルってどうなっているんですか? 儲かるものなの?

ポトフ アメリカは広告収入ですが、日本ではそんなに見込めなくて、直接これで収益をあげるというより、ブランディングですね。実際、ブランディング力をあげたい企業から「ポッドキャスト作りたいんだけど」という相談を受ける機会は増えています。

井上 ポッドキャストを長く続けてきたポトフさんの目から見て、これからどうなると思います?

ポトフ どうなるかはわかりませんが、最近気になっているのは、Googleの動き。今年の5月に音声検索を始めると発表したんですよ。それによって、ポッドキャストの内容も検索できるようになった。これがどういうことになるのか、ちょっと気になりますね。

(真)

井上 真花(いのうえみか)

井上 真花(いのうえみか)

投稿者プロフィール

 有限会社マイカ代表取締役。PDA博物館の初代館長。日本冒険作家クラブ会員。
 長崎県に生まれ、大阪、東京、三重を転々とし、現在は東京都台東区に在住。1994年にHP100LXと出会ったのをきかっけに、フリーライターとして雑誌、書籍などで執筆するようになり、1997年に上京して技術評論社に入社。その後再び独立し、2001年に「マイカ」を設立。
 一般誌や専門誌、業界紙や新聞、ネットコンテンツ、広報誌などの制作をするかたわら、電子書籍専門の出版社「マイカ出版」を立ち上げ、オリジナル作品をパソコンおよび携帯電話の電子書籍の販売サイトにて販売している。
 プライベートでは、井上円了哲学塾の第一期修了生として、哲学カフェ@神保町の世話役を担当。
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